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漁師、シェフらが1年着用したジーンズ 潮風や油が鍛えてオンリーワンに 広島・尾道で人気

「1年ばき」ジーンズを手にする和田さん=広島県尾道市

 漁師やラーメン店員などさまざまな職業の人にはいてもらい、異なる色落ちやダメージでオンリーワンのジーンズとして売り出す取り組みが、広島県尾道市で進められている。海と太陽に鍛えられた漁師の「1年ばき」は、新品の倍の4万8千円に上る付加価値を生んでいる。

 「尾道デニムプロジェクト」と名付け、尾道市で街づくりに取り組む会社「ディスカバーリンクせとうち」が2013年から実施している。尾道市を含む備後エリアはデニム生地の生産が盛んで、ジーンズを通じた街の魅力発信が目的だ。
 プロジェクトに参加する市民に、2万2千〜2万6千円のジーンズを提供し、週4日以上はいてもらう。毎週回収して状態を確認。1年後に査定し市内の店舗で販売する。これまでに延べ500人以上が協力した。
 職業によって風合いに差が生じる。漁師は潮風を浴びたりロープでももの部分が擦れたりして大胆な色あせに。ラーメン店員は油がなじんでしっとりとした質感になる。
 「本当に売れるんじゃろうか」。無料ではけるならと参加したある料理店の40代の男性シェフは、ジーンズの太もも部分に白く擦り切れた跡が幾筋も浮かぶ理由を「洗った包丁を太もも部分で拭く癖があるから」と正直に明かした。3万5800円の値が付いたことを知らせると「いやあ、びっくり。愛着があるので楽しんではいてほしい」と喜んだ。
 色落ちやダメージの格好良さに加え、股ずれや裾の傷みの状態を基準にランク分けし、価格は税抜きで2万円台から4万8千円まで。商品のタグにはいた人の職業が書いてあり、スタッフがそれぞれの物語を紹介する。
 同プロジェクトのマネジャー和田幹洋さん(44)は「どれも尾道のストーリーが詰まったジーンズで、大量生産では出ない個性がある」と話す。
 専用のジーンズと「参加権」を買えば、尾道市民以外でもプロジェクトに加われる。


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2018年03月09日金曜日


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