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<震災7年ネット調査>仕事、住宅復興二極化「楽に」「厳しく」それぞれ2割前後

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被害を受けた岩手、宮城、福島3県沿岸部の被災者の17.2%が、震災前と比べて仕事の確保が「楽になった」と捉える一方、「厳しくなった」と感じる人が20.7%に上ることが10日、分かった。河北新報社とマーケティング・リサーチ会社マクロミル(東京)との共同調査で判明した。

 「住宅の再建(の見通し)」についても尋ね、「楽になった」の19.7%に対し、25.6%が「厳しくなった」と回答。震災から7年となり、生活基盤の仕事と住まいの復興が被災者の間で二極化しつつある傾向がうかがえた。
 調査は被災3県を含む東北6県と首都圏を対象に実施。回答を5グループに分けて分析した。被災3県の沿岸部被災者とそれ以外の4グループの比較はグラフの通り。
 沿岸部被災者以外の4グループは「変わらない」が仕事で77.3%、住宅では80.4%を占めた。震災前からの変化は小さく、被災地の二極化傾向が際立つ。
 沿岸部被災者に理由(自由記述)を尋ねたところ、仕事と住宅が「厳しくなった」では「多くの得意先が廃業した」「復興関連の仕事が減った」「高齢で住宅再建を諦めた」「土地や建築費が高騰した」などが挙がった。
 「楽になった」では「仕事量が大きく増えた」「求人倍率が高水準」「ローンを組んで家を建てることができた」「新築が増えている」など。
 「自分の住む街の復興」は、沿岸部被災者の22.0%が「改善している」と捉え、29.1%が「悪くなっている」と回答。地域間格差が生じている現状がうかがえる。
 復興の進み具合を0%から100%まで10%単位で選ぶ「復興度」の平均は全体で53.8%。2017年の前回調査より2.5ポイント増えた。復興度が最も低いのは首都圏の48.5%で、最も高いのは被災3県沿岸部の被災者56.0%。沿岸部非被災者55.4%、被災3県内陸部53.4%だった。
 震災を意識する頻度は「ほとんど意識しない」が沿岸部被災者で15.9%だったのに対し、沿岸部非被災者は38.7%に上った。首都圏は41.0%。首都圏での震災の風化、被災地でも被災の有無によって差がある実態を反映した。

[調査の方法]2月2〜19日、マクロミルが保有する20〜70代のネットモニター1475人から回答を得た。分析した5グループの内訳は被災3県沿岸部と原発事故で避難区域が設定された自治体に住む被災者309人、非被災者256人、被災3県内陸部302人、青森、秋田、山形3県296人、首都圏の東京、埼玉、千葉、神奈川1都3県312人。仙台市は宮城野、若林両区を沿岸部としてカウントした。回答者は沿岸部は無作為、その他は都県ごとに2015年国勢調査の結果に基づき抽出。対象は17年の前回同様で一部同じ質問をした。17年の回答者は1526人。



河北新報オンラインニュースではアンケート結果の詳細をPDFファイルで公開しています。
トップページ「震災7年共同ネット調査 回答の詳細」からご覧ください。


2018年03月11日日曜日


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