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<東北の本棚>懐かしい「正直語辞典」

どごんわらしえ 鈴木節子 著

 87歳の著者が、故郷福島県守山町正直(しょうじき)(現郡山市守山町大字正直)で、昭和10〜20年代に使われていた言葉約1400語を解説した。五十音順に意味と使い方を紹介、さながら「正直語辞典」のようだ。
 「つっぺえる」は「(水たまり・泥などの中に)落ちる・入る」の意味。「池ん中さつっぺっちまった」、「風呂さつっぺって来っか(来ようか)」のように使う。
 「ぽやぽや」は柔らかさの表現で使われていた。「やや(赤ん坊)のほっぺたは、ぽやぽやだなあ」などと使う。著者は、すぐに弱音を吐く様を「へげへげ」と言うなど、動作や様子の表現に独特なものが多かったと解説する。
 タイトルの「どごんわらしえ」は「どこの子なの」という意味。小学1年で宮城県志津川町(現南三陸町)から、父の実家正直地区に越してきたとき、同級生の祖母に言われ、衝撃を受けた言葉だという。
 成長し社会人になって以降、正直の言葉から離れていた著者。東日本大震災を巡るテレビ番組で被災地の年配者が話す方言に、懐かしさがこみ上げた。「時が過ぎて失われつつある言葉が無性にいとおしく、貴重に思われた」と、一つ一つ思い出して記録した。
 著者は1930年盛岡市生まれ。元小学校教諭。
 文芸社03(5369)3060=1620円。


2018年03月11日日曜日


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