秋田のニュース

<Eパーソン>四季の美で誘客図る

吉田裕幸(よしだ・ひろゆき)盛岡商高卒。旧国鉄を経て、87年からJTBで旅行商品の企画や営業を担当。JTB東北本社執行役員総務部長などを経て、17年6月から現職。55歳。盛岡市出身。

◎秋田内陸縦貫鉄道 吉田裕幸社長

 北秋田、仙北両市を走る秋田内陸縦貫鉄道を利用したインバウンド(訪日外国人旅行者)の団体客が本年度、初めて2万人を超えた。沿線人口が減少し続ける中、観光客は重要な収入源だ。吉田裕幸社長に現状と課題を聞いた。(聞き手は秋田総局・藤沢和久)

 −外国人団体客は2016年度の8662人から、約2.5倍に増えた。
 「春の桜、夏の田んぼ、秋の紅葉、冬の雪など四季折々の変化がある里山を1両の列車が走る。沿線の景色を見て、本来の日本の良さを感じてもらっている」
 「9割を占める台湾はメディアの取材も多い。現地の商談会や旅行代理店への営業を年々強化している」

 −他路線にない強みは。
 「角館、田沢湖、乳頭温泉など季節ごとの魅力に満ちた観光地がある。秋田新幹線や大館能代空港と接続する利便性も高い」
 「94.2キロの沿線には角館の武家屋敷、西木の里山と農村、阿仁のマタギ、阿仁合の鉱山、北秋田の縄文と五つの文化がある。丁寧に掘ると、観光資源としての光る原石が眠っている」

 −観光客が増えても乗客数は減る一方で、昨年度は30万人を割り込んだ。
 「列車を利用する旅行の企画を今以上に打ち出すことで、地元の人の利用を増やせる。2月にお座敷列車で歌う企画を2回開き、高齢者を中心に盛況だった」

 −観光客をもてなす取り組みを強化している。
 「しっかりおもてなしするという経営の幹を昨年11月、より明確にした。まずは自分たちの会社、できれば地域全体で笑顔のお出迎えを広げたい」
 「できることからやる。駅構内に表示している地名や人名、特産物にふりがなを振る。易しい言葉に書き換え、英語を併記し、イラストを使う。読めなければ押し付けでしかない」

 −インバウンドは秋田県全域で急増している。
 「手放しで喜べる状況にはない。受け入れ態勢の整備は喫緊の課題だ。十分な対応ができなければ、二度と来ないばかりか、マイナスの情報を発信される」

 −今後の目標は。
 「良かった、楽しかったで終わらない内陸線にする。安全で安定した輸送は絶対条件。もう一度来たい、別の季節に来たいという需要を狙わないと乗客は増えない。人に薦めてもらえる感動的な体験ができる路線にしたい」


関連ページ: 秋田 経済

2018年03月15日木曜日


先頭に戻る