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<脱埋没への模索 どうする登米・栗原>第3部 まちづくり(3)移住促進/情報発信 具体策が鍵

登米市が2月24日に開催した移住体験ツアー。仙台市から4組9人が参加し、みそ造りなどを体験した

 登米、栗原両市は人口減少抑制策の一つとして移住者増を掲げる。全国でも都市間競争は激しく、どう特長をアピールしていくかが課題になる。
 設計士宿谷(しゅくや)千穂さん(38)は昨年4月、大工の夫匠(たくみ)さん(42)と2人の息子の4人で登米市津山町の山間にある貸家に住み始めた。輝く緑、日本古来の建築家屋が点在する眺め、夜空には多くの星…。「外出して帰宅するたびに風景に感動する」と千穂さんは言う。
 夫婦で建築業を営む。東日本大震災後に匠さんが東松島市をボランティアで訪れたのを機に2012年にさいたま市から仙台市に移住。さらに東松島市に移り、たまたま通り掛かった津山町地区の風景に一目ぼれした。「都会の人が憧れる環境が宮城にあることを関東の人は知らない」
 移住の際は、家賃補助や家屋改修費用助成など登米市が提供する支援制度を活用した。千穂さんは「登米の魅力や行政の支援内容が田舎暮らしを望む都会の人へ直接届く方法があるといい」と考える。

<口コミに期待>
 登米市は移住者向け住宅取得補助を充実させ、移住体験ツアーも開催。しかしライバル自治体が多数ある中、抜きんでる特効薬はなかなかない。市の担当者は「既に移住した人から登米の良さがじわじわと広がるのを期待する」と中長期的視点で進める姿勢だ。
 奈良大(奈良市)在学中、大学の交流活動事業で何度も登米市東和町米川地区を訪れた兵庫県出身の工藤麻祐(まゆ)さん(24)は、卒業後に米川の会社員男性(23)と結婚し住み着いた。「よそ者を歓迎する雰囲気があり暮らしやすい。空き家をすぐに住めるように整えておけばより移住促進につながるのでは」と提案する。
 東京出身で、13〜15年に米川地区で地域おこし協力隊を務め、今も家族と暮らす浦田紗智さん(36)は、行政の情報発信の内容に工夫を求める。「生活費の目安や保育園入所のしやすさ、小学校の規模、通学可能な高校、産科や小児科の数と距離などを具体的に出してほしい」と話す。

<起業に支援を>
 浦田さんは、多くの移住希望者が気に掛ける「就労の場の有無」に関してもアイデアを持つ。「移住者を受け入れる地域の住民側が高齢者の送迎業務など『こういう形態のビジネスが欲しい』と求め、対応するスキルを持った移住者の起業を行政が支援する仕組みがあるといい。移住者は、住民から必要とされていると感じるはず」と提案する。
 栗原市は育児用品購入用クーポン券支給や遠距離通勤者向け交通費助成など子育て世代をターゲットにした移住促進策を展開する。市成長戦略室は「情報発信に近道はない。有効とみられるアイデアを積極的に採用する以外にはない」と地道に取り組む。


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2018年03月16日金曜日


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