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<原発自主避難訴訟>「ようやく避難者と認めてもらえた」原告ら、つらい生活振り返る

判決後に東京都内で記者会見する原告団長の鴨下さん(左)と中川弁護士

 東京電力福島第1原発事故を巡る集団訴訟の判決で、東京地裁が16日、自主避難の合理性を認めたことについて、原告らは「ようやく避難者と認めてもらえた」と、つらい避難生活を振り返って喜んだ。ただ賠償対象と認定された避難期間は短く、原告側弁護団は不十分さも指摘した。
 判決後に開かれた原告側の記者会見。原告団長の鴨下祐也さん(49)は「司法が被害を認めた意義は大きい」と強調した。
 いわき市から都内に自主避難した。「周囲から『偽避難者』のような扱いを受けてきた。避難が正しかったのかと逡巡(しゅんじゅん)してきた」と多くの自主避難者の思いを代弁した。
 福島県内から2人の娘と都内に自主避難した40代女性は「『避難は正しかった』と誰も言ってくれなかった。最後の頼みだった司法に認めてもらい、とてもうれしい。避難生活を続けていける」と涙を見せた。
 弁護団の中川素充弁護士は「全17世帯の避難に合理性を認めた」と判決を評価。ただ原発事故との因果関係を認めた避難期間は原則2011年12月までで「対象期間が短い。認められた慰謝料も(同種訴訟の判決では)高い水準だが、やはり物足りない」と語った。
 原発事故を招いた国の責任を認めた判決は今回で4件目。中川氏は「国の加害責任は明白。被害者救済の施策を取るように訴えていく」と強調した。



 東京電力福島第1原発事故で福島県から東京都などへ自主避難した住民ら17世帯47人が、国と東電に計約6億3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、双方の責任を認め、42人に計約5900万円を支払うよう命じた。国と東電は津波を予見する義務があり、対策を取っていれば事故は回避できたと判断した。
 全国で約30件ある同種の集団訴訟の判決は6件目。国は被告となった5件のうち4件で賠償を命じられ、司法が国の責任を認定する流れが定着した。


2018年03月17日土曜日


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