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東北のパスポート保有率低迷 青森・秋田・岩手が全国ワースト3「理由はっきりしない…」頭抱える関係者

 外務省が発表した2017年12月末現在の旅券統計と、18年1月1日現在の都道府県別の人口に基づいて推計したパスポート保有率は東北6県が12.2%となり、全国平均の23.5%を大きく下回った。青森、岩手、秋田が全国のワースト3で、1桁台もこの3県のみ。低い保有率は海外旅行需要の少なさを示し、訪日外国人旅行者(インバウンド)誘客の足かせにもなりかねない。東北の観光業界や自治体は懸念を強めている。
 県別の保有率は表の通り。最も高い宮城でも全国平均を8.1ポイント下回った。全国で最も低い青森の9.0%は、最も高い東京の35.8%と30ポイント近い開きがある。
 地方別では東北の12.2%が最低。東北と同様、空港の国際線が充実していない四国は14.3%、中国も16.6%だった。
 低い東北の保有率をJTB東北(仙台市)の森吉弘社長は「海外志向が希薄な理由ははっきりせず、県民性、地域性としか説明しようがない。卒業旅行先に海外を選ぶ大学生も他地域に比べ圧倒的に少ない」と分析。「アウトバウンド(出国日本人)が少ないと、国際線が就航しづらい悪循環に陥る」と指摘する。
 東北では新たな国際線の就航などによってインバウンドが増えているが、航空路線は一般的に往路と復路双方の需要がなければ採算が取りにくく、路線維持が困難になる。
 格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーション(大阪)が昨年9月から週4往復運航する仙台−台北線は搭乗率が80%を超え好調だが、乗客はインバウンドが7割を占める。広報担当者は「目標の毎日運航の実現にはアウトバウンドの拡大が必要だ」と話す。
 別の航空業界関係者は「観光政策の優先順位がインバウンドに偏っていた。相互交流でなければ、活発な人の流れは生まれにくい」と明かす。
 全国最低の保有率の青森県は数年前から各市町村などと連携し、新たにパスポートを取り青森−ソウル便に乗る人に取得料を5000円助成している。昨年8月から今年1月末までの利用者は約250人だった。
 県企画政策部交通政策課航空グループの美濃谷邦康グループマネージャーは「青森空港で定期便のあるソウル線を中心にPRを強化している。海外旅行への興味を喚起したい」と話した。


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2018年03月18日日曜日


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