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秋田への移住者増加 丁寧なサポート体制が安心感に 

移住コンシェルジュが開いた移住者と地域住民の交流会の様子=2017年8月(鹿角市提供)

 秋田県への移住者が徐々に増えている。県の委託を受けたNPO法人秋田移住定住総合支援センター(秋田市)に登録し、2017年4月以降に移住したのは171世帯、303人(19日現在)。過去最多の16年度の137世帯、293人を既に上回る。移住者を増やしている自治体の特徴として、「先輩」が実体験を基に相談に応じたり、職員が移住希望者の望む仕事と働く場のマッチングを図るなど、丁寧なサポート体制を敷いていることが挙げられる。(秋田総局・藤井かをり)

 センターが集計した県内への移住者数の推移はグラフの通り。市町村別では秋田市が112人で最も多く、由利本荘市(66人)、横手市(61人)、鹿角市(48人)が続く。
<友達感覚で相談>
 「移住先に頼れる人がいると思えたことが安心につながった」。昨年4月、夫と長男と共に川崎市から鹿角市に移り住んだ勝又奈緒子さん(31)は振り返る。
 勝又さんは移住前、市地域おこし協力隊による「移住コンシェルジュ」の松村菜摘さん(24)=大阪府出身=に、市内に知り合いがいないことを相談。松村さんから「私と友達になりましょう」「待っていますよ」と言ってもらい、不安が和らいだという。
 「市職員に個人的な悩みは相談しにくい。コンシェルジュは年齢も近く、友達のような感覚で話しやすい」と勝又さんは話す。
 市は15年度からコンシェルジュが仕事や住居、雪国での生活といった相談に応じている。17年度は無料通信アプリLINE(ライン)での個別相談も開始。地域住民との交流会も企画するなど、移住後も地域になじめるよう支援する。現在は勝又さんもコンシェルジュを務め、17年度は6人体制で活動している。
 移住者の視点に立った支援の結果、センターを経ていない人も含め15年度に7世帯、15人だった市への移住者は17年度、3月12日現在で27世帯、45人に増えた。

<企業に働き掛け>
 移住者が希望する仕事を市が紹介して後押しするのは由利本荘市。15年度に仕事づくり課を設立し、移住に特化した「無料職業紹介所」を県内で初めて開いた。住居などの手続きと同時に職探しができるのが売りで、希望者が持つ資格などを基に職員が企業と直接やりとりすることもある。
 16年に妻の出身地の市内に千葉県習志野市から夫婦で移住した川嶋義文さん(37)は「通関士」の資格を生かせる職場を希望。市内に該当する企業がなかったため、職員は秋田市の会社に採用を働き掛けた。
 同社は求人をしておらず当初は難色を示したが、川嶋さんの実績や人柄を売り込んだ結果、面接にこぎ着け就職につながった。
 川嶋さんは「市の対応はありがたいの一言に尽きる。仕事が決まったことで移住を決断できた」と話す。

<問われる「熱意」>
 市仕事づくり課の長谷部浩司課長補佐は「仕事を探す時間がなかったり、求人がなかったりして諦める人も多い。手間を引き受け移住につなげたい」と話す。
 センターの荒谷紘毅理事長は「移住者の背中を最終的に押すのは『あなたに来てほしい』という強い働き掛けや、信頼できる人の存在。自治体間で移住者の奪い合いが続く中、担当者の『熱意』も問われているのではないか」と語る。


関連ページ: 秋田 社会

2018年03月25日日曜日


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