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<福島・只見川ダム訴訟>あす判決 堆砂との因果関係争点

 2011年7月末の新潟・福島豪雨の只見川氾濫に伴う浸水被害を巡り、福島県金山町の住民ら34人が、周辺のダムを管理する東北電力と電源開発(Jパワー)に約3億3700万円の損害賠償を求めた訴訟は26日、福島地裁会津若松支部で判決が言い渡される。原告側が主張するダムにたまった土砂「堆砂」と水害との因果関係などが争点だ。

 原告側代理人によると、堆砂対策を怠って水害を招いたとして、ダム管理者の責任を問う訴訟の全国初の判決になるという。
 訴えによると、11年7月29、30両日の豪雨で只見川の水位が上昇し、原告の住宅や田畑が浸水。ダムの堆砂で河床が高くなったほか、Jパワーのしゅんせつ船が流出して一部ダムのゲートをふさぎ、水位を著しく上昇させたとしている。
 原告側は複数のダムの堆砂率が水害前の時点で、全国平均の8%を大きく上回っていたと指摘。「被害発生が予見されたにもかかわらず、堆砂を取り除く義務を怠った」と主張。しゅんせつ船も「係留が不十分で、流下が被害に直結した」などと訴えてきた。
 東北電は「過失、注意義務違反はない。堆砂を取り除いた状態でも被害はあった」と反論し、Jパワーは「しゅんせつ船による水位上昇は認められない」と強調。両社とも記録的豪雨による自然災害だったとして請求棄却を求めている。
 原告団長を務めてきた元金山町長の斎藤勇一さんは2月27日、78歳で急死した。事務局の黒川広志さん(76)は「判決を目前に無念だったと思う。この地域はダムができてから、度々大きな水害を受けた。子どもたちが安心して住める地域にするためにも勝訴し、斎藤さんに良い報告をしたい」と話す。
 新潟・福島豪雨を巡っては、福島県只見町の住民と事業者も「ダム放流で被害が大きくなった」として、国や福島県、只見町、Jパワーに約7億1600万円の損害賠償を求める訴えを地裁会津若松支部に起こしている。

[新潟・福島豪雨]2011年7月26〜30日に大雨が降り、福島、新潟両県の県境を中心に大きな被害が出た。福島では只見川が氾濫。1人が行方不明になり、流域の只見、金山両町など11市町村で住宅33棟が全壊、200棟が半壊、77棟が床上浸水した。


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2018年03月25日日曜日


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