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<秋田地方気象台>気球が支える天気予報 東北ではここだけ、80年以上毎日観測

気球を放つ秋田地方気象台の職員。測定結果に影響が出ないよう、気球とラジオゾンデの間には長いひもが付いている

 天気予報の基となる上空の気象状況を調べるため、秋田地方気象台(秋田市)は気球を使った高層気象観測をしている。1936年から80年以上にわたって毎日同じ方法で観測を続けており、現在は東北で実施する唯一の気象台だ。観測の手間などはかかるものの、世界共通の手法であり長年のデータ蓄積という良さもあるという。

 「30秒前…、時間です」。気象台から流れる放送の秒読みに合わせ、敷地内で職員が「ラジオゾンデ」という観測装置が付いた気球を上空に放った。気球には水素が入っており、分速300〜400メートルで高度約30キロまで上昇しながら気圧や気温、風向を測る。
 世界標準時の午前0時(日本時間午前9時)と正午(同午後9時)に国内16カ所、世界約800カ所で一斉に観測。国内の場合、ラジオゾンデの電波を気象台が受信し、気象庁のスーパーコンピューターに送る。
 気球を使う観測は、東北では仙台管区気象台(仙台市宮城野区)でも行われてきた。同気象台が2008年にやめて以降は、秋田が唯一の観測点となった。
 ラジオゾンデは1台約2万円で使い捨て型。気象庁は、レーダーで上空の風を測定する「ウインドプロファイラ」を仙台など全国33カ所に設置し、民間航空機の報告などと併用することで、最大18あったゾンデによる観測地点を16にした。
 ただ、ウインドプロファイラは上空の空気が乾燥している晴天時には使えず、民間航空機は航空路上しか測定できない。予報の精度を保つため、ラジオゾンデによる観測を完全に置き換えるには至っていない。
 秋田地方気象台の栗田邦明観測予報管理官(55)は「観測したデータは世界各国で共有し、予報の基となっている。80年以上観測しているため、温暖化などの気候変動を知る資料にもなる」と意義を説明する。


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2018年03月26日月曜日


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