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<旧優生保護法国賠訴訟>仙台地裁 あす第1回口頭弁論

 旧優生保護法に基づき知的障害者に強制された不妊手術は個人の尊厳を保障する憲法に違反するにもかかわらず、政府と国会が救済措置を放置し続けたとして、宮城県の60代女性が国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、仙台地裁で開かれる。国は「当時は合法だった」として請求棄却を求める方針だ。同法による強制手術を巡り、国の責任を問う訴訟は全国で初めて。
 訴えによると、女性には1歳で受けた口蓋裂(こうがいれつ)手術時の麻酔の影響で知的障害がある。15歳時に「遺伝性精神薄弱」を理由に不妊手術を受け、30歳前に手術が原因とみられる卵巣膿腫で右卵巣を摘出した。
 これまでの主張に基づく論点は表の通り。女性側は2004年に当時の坂口力厚生労働相が「(強制手術の)事実を今後どうしていくか考えたい」と国会答弁した時点で、救済の必要性が国会内でも明確になったと指摘。救済の施策と立法措置を怠った政府と国会の不作為を訴える。
 賠償請求の起算点について、女性側は04年から立法に必要な3年相当を経た07年で、賠償請求権が消滅する民法の除斥期間(20年)に当たらないと強調。同様に行政と立法の不作為が争われたハンセン病国家賠償訴訟判決は、らい予防法廃止時を起算点とした。国は今回、旧優生保護法が実質的に廃止された1996年から20年が経過したことから「訴訟要件を満たさず不適法」と主張する可能性が高い。
 48年施行の同法は、遺伝性疾患や精神障害のある人の生殖機能を不能にする強制手術を認めた。母体保護法に改定された96年まで全国で約1万6500人、宮城県では1406人に手術が強制されたとみられる。
 提訴を契機に、国会では救済の在り方を検討する超党派の議員連盟が発足し、自民、公明両党も救済策検討の作業部会を設置。政府は被害実態の全国調査を実施する方針に転じた。国はこれらの動きを踏まえた訴訟対応を取らざるを得ず、政治の動向が訴訟の帰結を大きく左右しそうだ。


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2018年03月27日火曜日


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