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原発被災地、2工場相次ぎ稼働 地域復興の原動力に

開所式の出席者がフォーアールエナジーの作業工程を見学した=26日、福島県浪江町
福島エコクリートの加工プラントが地域住民らに公開された=16日、南相馬市小高区

 福島県内の東京電力福島第1原発事故被災地で今月、廃棄物などを再利用する2工場が相次いで稼働した。被災地では避難した若年層の帰還に向けた雇用確保が重要課題の一つ。経済振興の拠点にとどまらず、地域復興の原動力として期待が集まっている。

 浪江町では、日産自動車の子会社フォーアールエナジー(横浜市)の拠点が操業を始めた。不要になった電気自動車(EV)の車載電池の蓄電池への加工などを担う。
 2018年は約2250台分を扱い、20年に1万台の突破を目指す。開所式が26日に現地であり、同社の牧野英治社長は「工場は電池の検査手法や利用法の開発機能も持つ。国内外からの交流人口拡大にも貢献したい」と強調した。
 南相馬市小高区でも、日本国土開発などが出資する土木資材製造の福島エコクリート(南相馬市)が始動した。火力発電所から1日当たり約240トンの石炭灰を搬入して路盤材に加工し、販売する。
 全国的な火力発電への依存度アップで、石炭灰の活用策に関心が高まっている。同社の横田季彦社長は「路盤材は復興工事での需要が見込める。資源の地産地消を推進する」と力を込める。
 浪江町、小高区はいずれも原発事故で全住民が避難を強いられた。一部で避難指示が解除されたものの、住民の帰還には雇用創出が不可欠。フォーアールは5人、エコクリートは20人を地元採用しており、今後の人員増を見込む。
 フォーアールの渡部圭介さん(27)は、就職を機に避難先から故郷の浪江町に戻った。「会社が発展して、かつての友人たちと一緒に働けるようになったら幸い」と期待する。
 原発事故の被災地では国、福島県が「福島イノベーション・コースト構想」を掲げ、新産業集積を図る考え。経済産業省福島新産業・雇用創出推進室の黒田浩司室長は「復興には新たなビジネスによる市場開拓が必要だ。大手企業の関心も高く、今後も企業誘致に力を入れたい」と話した。


2018年03月27日火曜日


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