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震災の記憶「忘ねっちゃ」名取の市民団体が方言文集

仮設住宅での生活を振り返る高橋自治会長
文集「忘ねっちゃ」

 東日本大震災の記憶の風化を防ぎ、心の復興にもつなげようと、名取市の市民団体「方言を語り残そう会」が、被災者やボランティアらの思いを集めた方言文集「忘(わしぇ)ねっちゃ」を発行した。家族や古里を失った悲しみが伝わる文章だけでなく、前向きな気持ちを記した作品も目立つ。
 B5判70ページで、句集「負げねっちゃ」、詩集「生(い)ぎるっちゃ」に続く第3弾。同市美田園第1仮設住宅の住民や、ボランティア団体のメンバーら46人から文章を集めた。
 「千年に一度だと言ったな、おだずんでねぇど。おら、ががと一緒に働(かしぇ)いで働いで、さあこれから少し楽すっぺと思ってだ時だった。あっという間に何もかもさっぱと流されだ。おまげぬ、おれのががまでさらっていった。悔すくて悔すくて、涙も言葉も出ねぇ。なじょすればいいのや。眠らんね眠らんね、眠らんね。ががやがが 出て来いや。夢に出て来たらば、つかんで離さねど」
 妻を亡くした男性はそう記述した上で、世界各地からの支援者が汗まみれでボランティアに従事する姿を見て前向きになれたことを強調。「新しい故郷を作んなげねぇな、生(い)がさった命だもの」と続けた。
 同仮設住宅の集会所で24日にあった発表会には、住民ら約70人が参加。高橋善夫自治会長(75)らが自作を朗読するなどした。7年間の喜怒哀楽を文章化した「仮設住宅・復興住宅からの声」というコーナーが読み上げられると、会場からすすり泣きが漏れた。
 同団体の金岡律子代表は「震災を忘れず、後世に伝える必要があると思って編んだ。震災の記録の一つになればいい」と話す。200部刊行。希望者には1部500円で配る。連絡先は金岡代表022(382)3703。


2018年03月28日水曜日


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