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<公示地価>震災移転需要が収束 沿岸宅地8市町下落

地価が下落に転じた石巻市須江しらさぎ台の住宅地(写真の一部を加工しています)

 27日発表の公示地価は岩手、宮城両県の沿岸8市町で住宅地が下落に転じた。東日本大震災翌年の2012年、全国トップの上昇率となった石巻市須江しらさぎ台の宅地も震災後初めてマイナスに転じるなど、被災者の移転需要の一服感がより鮮明になった。

 宮城の沿岸は石巻、塩釜、気仙沼、南三陸の4市町で住宅地がマイナスに転じた。石巻市須江しらさぎ台は12年に60.7%の上昇率を記録したが、今回はマイナス0.3%だった。
 震災から7年が過ぎ、移転需要は収束傾向にある。東松島市の大江不動産の担当者は「石巻の需要は(三陸自動車道石巻河南インターチェンジ周辺の)新蛇田地区に絞られてきた」と説明。仙台市泉区の不動産鑑定士高田康弘さん(48)は、値引き後も買い手がなかなか見つからない宅地が石巻で出ている点を挙げ、「震災前の状況に戻りつつある」と指摘する。
 岩手の沿岸は宮古、大船渡、陸前高田の3市と山田町が6年ぶりのマイナスに転じた。沿岸全25地点のうち、地価が上昇した地点はゼロとなった。盛岡市の不動産鑑定士細川卓さん(53)によると、沿岸部では移転需要が沈静化し、高台など居住環境で劣る地点で地価が下がっているという。
 岩手沿岸では商業地の下落も続く。沿岸全体でマイナス2.1%と4年連続で下がった。細川さんは「復興関連事業者が貸事務所から撤退し、次が埋まらず地価が下がっている。商業施設ができてにぎわいを取り戻しつつあるが、地価に反映される段階には至っていない」とみる。
 福島県は東京電力福島第1原発事故に伴う移転需要のピークを過ぎたが、沿岸6市町の住宅地は上昇が続く。15年に全町避難が解除された楢葉町で2.1%上昇するなど、新たな宅地需要も出始めた。


2018年03月28日水曜日


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