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<旧優生保護法賠償訴訟>差別、偏見のない社会へ 原告側「基本的人権が問われている」

原告女性の義姉(手前)と提訴予定の仙台市の70代女性(隣)。1月の提訴時に自作したピンクの手飾りを一緒に身に着けて記者会見に臨んだ=28日午前、仙台市青葉区の仙台弁護士会館

 「冬の海のような、鉛色の気持ちで今日まで過ごしてきた」。仙台地裁で28日あった旧優生保護法国家賠償請求訴訟の第1回口頭弁論。原告の宮城県の60代女性の義姉は、苦難の日々を振り返り声を震わせる一方、春めく中で始まった裁判に「冬の終わり」への期待感も示した。

 原告女性には、1歳で受けた口蓋裂(こうがいれつ)手術時の麻酔の後遺症で知的障害がある。義姉は込み入った話ができない妹に代わり、被害の救済を訴えてきた。
 義姉は閉廷後の記者会見で「基本的人権が問われている。国が争うなら受けて立つ」と強調。朝、地裁に向かう電車の車窓から梅や桜のつぼみを見掛けたといい、「今日、裁判が始まることもあり、季節の移ろいが心に染みた。裁判をきっかけに差別や偏見のない社会に変わってほしい」と語った。
 原告女性と同様に強制手術を受けたとして、近く提訴予定の仙台市の70代女性と東京都の70代男性も記者会見に同席。「人生を奪われた思いの人は大勢いるはず。勇気を出して一緒に闘ってほしい」と呼び掛けた。
 1月の提訴を機に救済への動きが各方面で活発化し、訴訟に先んじた様相を見せる。6日に救済策を検討する超党派の国会議員連盟が設立され、28日には原告支援の市民団体「優生手術被害者とともに歩むみやぎの会」が発足した。
 国はとりわけ政府や国会の動向を踏まえた慎重な対応を迫られる。28日の法廷で国は6月13日の次回弁論に提出する書面の作成に「3カ月程度ほしい」と地裁に打診。原告側が「もう少し早くできないのか」と苦言を呈する場面もあった。
 新里宏二弁護団長は「被害者は高齢化しており、早期救済が必要。仙台訴訟を第一歩として提訴を全国に広げ、国が救済に動かざるを得なくなる世論をつくっていきたい」と話した。


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2018年03月29日木曜日


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