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<新電力>家庭向けは低調 背景に高い送配電網料

地道な営業活動で家庭向けの契約を伸ばす須賀川ガスの橋本副社長

 電力自由化から2年たっても家庭向けなどの低圧(50キロワット未満)は、新電力への契約切り替えが低調だ。
 電力広域的運営推進機関によると、東北6県と新潟県で新電力への契約切り替え件数は2月末で26万2300件、全体の約5%だった。10%を超えた全国平均とは大きな開きがある。
 国に登録した電力事業者も東北はまだ少ない。全国465社のうち、東北を本拠地とするのは東北電を含めて31社しかない。
 背景に東北電が所有する送配電網の使用料(託送料金)の高さがある。送配電網を使う新電力が料金設定する際の固定経費となるが、低圧は1キロワット時当たりの平均で10円49銭と大手10電力で2番目に高い。
 昨年11月に参入したみやぎ生協(仙台市)の矢野敏昭エネルギー事業部長は「託送料金が高い上、東北電の価格が安い。参入しても利幅が小さく、価格もあまり安くならず競争が起きにくい構造だ」と語る。
 新電力のイーレックス(東京)の秋山隆英社長は「東北はメリットを知ってもらう段階」と長期戦を覚悟する。
 東北電エリアで契約上位に名を連ねる新電力は通信や燃料販売の大手で、価格だけでなく、元々の顧客に自社のサービスをプラスして売り込んでいる。みやぎ生協も契約者に灯油を1リットル当たり1円安くしている。
 対照的なのが、東北を本拠地とする参入第1号の須賀川ガス(須賀川市)だ。他のサービスとの抱き合わせはせず、低圧の契約件数は1年で3000件、2年で4800件に増えた。過半数が新規開拓した顧客だ。
 橋本直子副社長は「地元のフットワークを生かして地道に契約を伸ばしている。他社への切り替えリスクがある企業向けの高圧に比べ、低圧は契約すれば長い付き合いができて電気事業の安定性が増していく」と手応えを語る。


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2018年03月29日木曜日


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