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<国分町Eyes>(4完)拡大 店と人多彩に 魅力新た

飲食店の明かりが照らす国分町3丁目付近。広がる街に新たな魅力をもたらしている

 東北最大の歓楽街・国分町(仙台市青葉区)では、いつの時代も人々の喜怒哀楽が渦巻き、無数の物語が紡がれる。東日本大震災の発生から7年。復興バブルやその後の衰退に翻弄(ほんろう)されながら、移ろう時と街の中で生きる人々の瞳には何が映っているのか。さまざまな立場の5人を通して、「ブンチョウ」のいまを垣間見る。(報道部・岩田裕貴)

 南の広瀬通と北の定禅寺通に挟まれた仙台市青葉区国分町2丁目。飲食店ビルが所狭しと並び、最もにぎやかな区域は東北随一の繁華街の象徴だが、近年は街に新たな顔が加わりつつある。
 レストラン「裏町ビストロ サルバドール」は2014年10月、定禅寺通北側の国分町3丁目にオープンした。緑に囲まれた入り口とテラス、1、2階が吹き抜けの小粋な雰囲気の店に、勤め帰りの20〜50代の会社員や、近隣のマンション住民らが来店する。
 オーナーの阿部芳郎さん(40)は24歳から、国分町2丁目の居酒屋やバーで働いてきた。シャンパンを入れたお礼、花を贈ったお礼などを理由に、同業者が義理で来店し合う文化があったという。
 そうした「2丁目文化」に「少し疲れてしまった」と阿部さんは振り返る。30歳の時に「もっと一般客を相手にしたい」と独立を考え、行き着いた先が国分町3丁目だった。
 店名はスペインの画家サルバドール・ダリが由来。「パレット上で色が混じり合い、多彩な色が生まれるような人が行き交う店に」との願いを込めた。

<個人店目立つ>
 定禅寺通と北一番丁通に挟まれた3丁目は、同店に似た個人経営の小規模飲食店が目立つ。2丁目に比べて家賃が安いためだ。路上に客引きの姿はなく、歩いていても安心感がある。
 店と客の双方から人気を集めるが、地域には今後を心配する声もある。一部の商店や飲食店でつくる「国分町3丁目友和会」会長で仏壇の佐正社長の佐藤晶洋さん(66)は「にぎわうのはありがたいが、事故や事件が増えないか」と複雑な表情を浮かべる。

<夜の往来増加>
 最近は酔客を目当てにした代行タクシー業者の路上駐車も目立つ。夜間の人通りが増えたことを踏まえ、友和会は今後、防犯カメラ6台を国分町通などに設置する予定という。
 3丁目の発展は、国分町という街が拡大しながら人を引きつけ続けていることの証しだ。ただ、サルバドールの阿部さんは「急いで2丁目のような繁華街を目指すべきではない」と語る。
 街がパレットなら、訪れる人は色。さまざまな人間模様が混ざり合い、そこでしか見られない色合いを醸し出す−。阿部さんは、そんな3丁目であってほしいと願う。


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2018年03月30日金曜日


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