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大阪の生協職員林さん 震災以来7年、遠野での支援に終止符 「微力は無力ではない」を合言葉に

岩手県遠野市の仲間たちから贈られた木彫りのフクロウを手に、記念撮影に臨む林さん(中央)

 岩手県遠野市で2011年5月から東日本大震災の復興支援に取り組んできた大阪市の生協職員林輝泰(てるやす)さん(60)が、7年近くに及ぶ活動に終止符を打った。当初3カ月の予定だった任期を大幅に延長。運行に携わったボランティアのツアーバスで延べ3000人を岩手県沿岸に案内し、関西と被災地をつないだ。
 生協「おおさかパルコープ」は、震災発生の直後に震災対策本部を設置。取引先や取扱商品の生産者が多い岩手を支援するため遠野市に拠点を置き、林さんを派遣した。
 関西の他の2生協も協力。「微力は無力ではない」を合言葉に、職員が交代で陸前高田市や大槌町の在宅被災者に支援物資をトラックで配送した。
 12年に始まったボランティアバスツアーの運行は68回を数える。生協の組合員らが参加し、被災者との交流を続けてきた。現地で語り部の話に耳を傾け、南海トラフ巨大地震への備えを胸に刻んだという。
 災害公営住宅で催すお茶会では大阪名物が活躍。林さんは「本場のたこ焼き文化を広めることができた」と笑顔で語る。
 活動の長期化に伴い、12年度から遠野市内のNPO法人に出向した。被災地との結び付きが一層強くなると「『ありがとう』の言葉がうれしい半面、つらかった。そう言わざるを得ない現状が早く良くなってほしいと思った」と振り返る。
 林さんはパルコープの機関誌に「遠野通信」を連載し、計97回にわたって被災地の様子を紹介してきた。最終回では改めてなりわい再生やコミュニティーづくりへの支援を訴え、募金や被災地産品の購入に協力を呼び掛けた。
 林さんは遠野市を離れるが、パルコープの組合員による支援活動は続く。
 林さんは「多くの出会いと人の温かさに支えられた7年だった。今後もできる応援を続けるとともに、二度と同じ悲しさを味わってほしくないという語り部の思いを大阪で伝えていきたい」と決意する。(釜石支局・東野滋)


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2018年03月30日金曜日


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