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釜石の街、守り堅固に 湾口防波堤の復旧工事が完了

復旧工事を終えた釜石港湾口防波堤(国土交通省釜石港湾事務所提供)
完成した湾口防波堤と右奥に広がる釜石市街地(国土交通省釜石港湾事務所提供)

 東日本大震災の津波で全体の8割が損壊した釜石港湾口防波堤の復旧工事が完了して30日、報道機関に公開された。湾内に流れ込む津波の量や速度を抑制し、陸上の防潮堤との組み合わせで市街地を守る。
 2012年2月に着工し、総事業費は約657億円。南北両堤と開口部から成り、全長1.96キロ。最も深い場所の水深は63メートルで世界最深の防波堤となる。
 震災前の湾口防波堤は約30年の工期を経て08年度に完成した。震災では津波の速度を5割、高さを4割それぞれ低減し、防潮堤を越えるまでの時間を6分遅らせたという。
 復旧工事で残存部を有効活用した。再設置したコンクリート製箱形構造物「ケーソン」は、大型化して設置数の削減と工期の短縮を図った。
 震災の教訓を踏まえてケーソン下部に滑り止めマットを敷設するなど津波に押されても倒れにくい工夫を凝らした。
 国土交通省釜石港湾事務所の下沢治所長は「震災クラスの津波でも壊れるまでの時間を稼げる粘り強い構造とした。人命を守るのはもちろん、海面の静穏化による荷役作業の効率化など釜石港の使い勝手が良くなり、地域に貢献できる」と話した。


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2018年03月31日土曜日


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