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<宮城・大崎市長選>広がる旧市町間格差、見えぬ中心市街地再生効果…8日告示、13万都市問われる針路

再開発が進む市中心部。中央が市役所、右は新市庁舎建設予定地の駐車場

 1市6町による2006年の合併から12年がたつ宮城県大崎市は、4度目となる市長選(8日告示、15日投開票)が迫る。人口13万余りの県内第3の都市。東日本大震災からの復興を遂げる中、広がる地域内格差や中心市街地の再生といった課題に直面している。(大崎総局・大場隆由)

 今年1月の7地区(旧市町)の人口と、合併直後の07年1月とそれぞれ比較した増減率は表の通りで、増えたのは古川地区のみで、6地区が減少した。特に3割近く減った鳴子地区の落ち込みが目立つ。
 鳴子地区は県内有数の観光地だが、足元で急激な少子高齢化が進む。高齢化率は44.2%(17年)と7地区で最も高い。通勤や通学のしやすさなどから古川地区などへ若い世帯が移るケースもあり、合併時に統合発足した地区唯一の鳴子中の卒業生は今春は30人と、発足時(83人)の3割ほどに減った。
 地元の行政区長(68)は「高齢世帯が多い上、空き家が増えた。受け持ちの3割近くになる」とゴーストタウン化を心配する。
 企業誘致が難しい中、市は「移住者を少しでも呼び込みたい」(鳴子総合支所)とするが、ここでも格差が生じる。市の支援窓口ができた15年9月から17年末までに住宅補助制度などを使った移住者は市全体で123世帯392人に上るが、約7割が利便性が高い古川地区に集中する。
 古川地区中心部では震災復興の延長線にある「市街地復興まちづくり計画」が進む。市民病院移転跡地を含む市役所周辺では、新市庁舎や消防署、子育て支援施設や道の駅などの公共施設と、50〜60世帯のマンションを柱とした七日町西の民間再開発ビルの建設計画が進行中。総投資額は180億円余りが見込まれるが、定住・交流人口を増やす一体整備には課題も残る。
 計画地区に接する第三セクター運営の観光施設「醸室(かむろ)」は県道拡幅工事による一部施設の移設を19年度に控え、利用のしづらさや家賃の高さからテナントの撤退が続き、13施設のうち5施設が空く。酒蔵を生かした施設は、震災後に人通りが減った中心部にあって知名度が高く来場者も増えたが、「再開発に合わせてリセットが必要」(醸室幹部)と対応が迫られている。
 向かいに建設予定の再開発ビルには公民館が入る予定で、醸室との「機能重複」を懸念する声もある。市は「支援は限られるが、さまざまな選択肢を検討中」(産業商工課)という。
 市役所周辺について市議からは「ハコモノ建設は進むだろうが、人を呼び込むまちづくりの工夫が希薄」と整備効果を危ぶむ声もある。既設、新設の建物の利用と集客で有機的な連関を生み出し、新たなにぎわいを創出できるか。官民のさらなる知恵が求められている。


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2018年04月04日水曜日


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