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農業と福祉の連携育む野菜工場 秋田で廃校活用、障害者の自立を後押し

教室を改修した温室ではLEDを活用して野菜を栽培している

 秋田市河辺の障害福祉サービス事業者スクールファーム河辺が、障害者が農業を担う「農福連携事業」を進めている。廃校を改修した野菜工場が、担い手の減少に悩む農業と社会進出を目指す障害者を結び付ける場になっている。
 スクールファーム河辺は、閉校した旧赤平小の利活用事業を市から受託。校舎を改修して2014年8月に操業を始めた。秋田、大仙両市の精神、身体、知的障害者計22人が週5日、介護福祉士などの資格を持つ職員7人の支援を受けて野菜栽培や菓子作りに取り組んでいる。
 野菜工場の内部は湿度と室温が一定に保たれており、赤、青、緑の発光ダイオード(LED)を24時間照らしてバジル、ルッコラといった7種類の野菜を通年栽培している。現在は20グラム入りのパックを年間約700〜800パック出荷する。安定した出荷量と品質が評価され、取引先は秋田県内外のホテルや飲食店に広がっている。
 野菜栽培のほか、アレルギーフリーの菓子作りやコーヒー豆の袋詰めなど、障害の程度に合わせた作業がある。利用者は訓練を通じて自信をつけることで意欲的になり、作業内容の幅を広げていくという。
 昨年10月には、透明なボトルの中にドライフラワーを飾る植物標本「ハーバリウム」の制作工房を新設した。一般にも開放する傍ら、利用者を作家として育て、地域のイベントや雑貨屋で販売している。
 脳性まひの影響で脚に障害のある作家の女性(33)は「こだわりのデザインについてお客さんと話すのが楽しい。社会で働くための大きな自信になっている」と実感を込める。
 曽我裕一社長(52)は運送会社を経営していたが、11年の東日本大震災を機に身近にできる社会貢献を目指し、知人男性と施設の創設を決意した。県内外の農家や福祉施設を訪れ、農業と福祉の知識を独学で学んだ。
 スクールファームはこれまで3人の一般就労を後押ししてきた。曽我社長は「地域の中心だった学校の建物を生かし、障害者の自立を支援したい」と意気込む。


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2018年04月04日水曜日


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