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<週刊せんだい>杜の都 巡って感じて(1)藩制期の名残が点在

笹かまの手焼き体験をする大津さん(右)と稲葉さん。香ばしい匂いが立ち込める=青葉区中央2丁目の阿部蒲鉾店本店

 JR仙台駅から西へT字形に広がる青葉区の中心商店街は、仙台市民が買い物で外せないエリア。藩制時代の痕跡や由緒ある神社仏閣も点在する。同区の旅行会社たびむすびの社長稲葉雅子さん(56)とガイドスタッフ大津京さん(35)に、普段気付きにくいエリア内の見どころをぎゅっとまとめて案内してもらった。

◎中心商店街 買い物楽しみ御利益も

<辻標や鳥居を発見>
 待ち合わせの定番、JR仙台駅2階のステンドグラス前で合流すると早速、2人は「街歩きのお供をゲットしましょう」。腕を引かれ、菓匠三全(青葉区)が駅ビルに出店する「ずんだ茶寮」でずんだシェイクを求めた。3年前にテレビ番組で紹介されて以来、人気が続いているそう。
 枝豆とバニラの優しい甘みを口に含みながら、駅前からいざ商店街へ。「お茶屋さんや人形店は私が小さな頃からずっとありますね」と、生まれも育ちも仙台の大津さんは辺りをきょろきょろ。愛宕上杉通を渡ると、「新伝馬町(しんてんまち)」と記された辻標を指さして「住所からは消えてしまった江戸時代の地名が、こうして残っているんです」と教えてくれた。
 商店街をさらに進むと、右手に赤くそびえる鳥居を発見。「不動明王を祭る三瀧山不動院です」。大津さんは「福の神と親しまれている仙台四郎の像が奉納されています」と続けた。仙台四郎は江戸末期生まれの実在の人物で、立ち寄った店がどこも繁盛したのだそうな。

<横丁に昭和の風情>
 「一休みしましょうか」。稲葉さんの提案で、1935年創業の阿部蒲鉾店本店に入った。1本210円で笹かまの手焼き体験ができる。「カフェに寄る感覚で、お友達を誘って来たいですね」と大津さん。
 小腹を満たした後は、藤崎の屋上にある藤崎えびす神社に向かった。青空の下、商売繁盛の守護神に手を合わせてから北を望むと、仙台フォーラス屋上に建つ和霊神社のほこらが見えた。「今度、街なかのビルにある神社を巡るツアーを行う案があるんです」と稲葉さんは明かす。
 藤崎の南方、昭和の風情漂う壱弐参(いろは)横丁を散策した後、本日の最終地点、野中神社に着いた。仙台藩祖伊達政宗が城下町建設で町割りに使った縄を集め、地中に埋めた上に祭った神社と伝わる。「このコースは、2時間程度で回れる仙台の街歩きの『基本のき』といったところ。街の雰囲気に触れて、親しみを感じてもらえれば」と2人はうなずいた。中心商店街をもっと詳しく巡りたくなった人は、同社のツアー「仙台名物を片手に、マチナカ御利益散歩」(7日開催)に参加してみては。
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 仙台市内で街歩きツアーを実施する企業や団体のスタッフに、杜の都の巡り方を指南してもらいます。

◎ちょっと寄り道/斎藤惣菜店ころっけや(青葉区中央4丁目)揚げたて求め店頭に列

 白い湯気を立てながら黄金色のコロッケやカツが次々に揚がる。昼時は学生らが、夕方は仕事帰りの会社員が、サクサクの一品を求めて店頭に列をなす。仙台市青葉区中央の仙台朝市にある「斎藤惣菜店ころっけや」は、たびむすびのツアーでもおなじみの立ち寄りスポットとなっている。
 「この場で食べるお客さんも多いですよ。若い女性もチキンカツをペロリといけてしまうみたいです」と社長の斎藤達也さん(32)。2000個もの揚げ物が、午後4時ごろに売り切れてしまう日もあるそうだ。
 一番人気の「じゃがじゃがころっけ」(65円)からトンカツ(227円)まで、手頃な価格で毎日約20種が並ぶ。「この春から仙台で暮らす転勤族の方や学生さんにも、ぜひこの店を知ってもらいたいですね」
 店は亡くなった祖父正一郎さんが創業して約60年。「食材は全て朝市の中で買うように」との初代からのお達しを守り続ける。斎藤さんは「商店がお互いに助け合いながら、朝市のにぎわいをこれから先もずっと残していけたら」と願う。

[メモ]営業は午前9時〜午後6時(商品がなくなり次第終了)。定休は日曜祝日。季節限定でサクラエビのクリームコロッケ(108円)を販売中。連絡先は022(267)1569。

店頭から仙台朝市の通りを眺める斎藤さん。ここ1、2年で、外国人が買い物をする姿が増えたという

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2018年04月05日木曜日


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