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福島・双葉の細谷行政区から川俣・山木屋地区へ防災のリレー 帰還のめど立たず器具一式贈る

山木屋地区の自治会関係者(左側)に防災器具を渡す細谷行政区役員=福島県川俣町山木屋の商業施設「とんやの郷」

 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県双葉町の細谷行政区が、避難指示解除から1年となった川俣町山木屋地区の自治会に防災器具一式を贈った。事故直後の支援への恩返しの思いも込め、避難によって使う見込みがなくなった器具の有効活用を託した。
 贈ったのは、自主防災組織をつくった細谷行政区が原発事故前の2010年、町の補助を受けてそろえた発電機や担架など約40種類の防災器具。11年に計画した防災訓練ができず、地区の倉庫に置いたままになっていた。
 行政区の役員が3月31日に放射性物質検査が済んだ器具を搬出し、山木屋へ運んだ。
 福島第1原発に近い細谷行政区は、県内の除染土などを保管する中間貯蔵施設の予定地となり、帰還のめどが立たない。防災器具の有効利用の道を探っていた行政区長の大橋庸一さん(76)が昨年、山木屋地区自治会副会長の菅野源勝さん(70)と知り合い、寄贈が実現した。
 菅野さんは「地区に戻った住民は3割で高齢者が多く、自主防災が課題。今後定期的に実施する防災訓練で器具を使いたい」と感謝した。
 川俣町は事故直後に双葉町民の避難先となった。大橋さんは「お世話になった川俣の防災に役立てばうれしい。今後の交流にもつなげたい」と話した。


2018年04月05日木曜日


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