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<ちょっと一息>人口集積と経済成長 豊かな地域への道は多様/日銀仙台支店長・副島豊

[そえじま・ゆたか氏]京大卒。1990年日本銀行入行。フランクフルト事務所長、国際局国際連携課長、函館支店長を経て2017年6月から現職。佐賀県出身。52歳。

 「仙台や札幌、福岡のような大都市がないからうちの県経済は成長しないんだよねえ」。こんな声をよく耳にします。
 確かに都市への人口集積は、経済の繁栄をもたらしているように思えます。日本をリードしているのはやっぱり東京ですし…。でも、一極集中しないと経済は成長しないのでしょうか。
 そう考えて各県の人口集積パターンを計測してみました。京都府や宮城県のように県庁所在地に人口の半分前後が一極集中している所があれば、県庁所在地が最大都市ではない県や最大都市の人口シェアが10%以下の分散型県もあります。
 「分散型」もタイプはさまざまです。規模に差がない三つから四つ程度の都市があって、そこに人口が集中している県があります。東北では青森や福島がこの「中核都市分散型」に相当します。
 一方、茨城県のように多数の都市に人口がばらける「多極分散型」もあります。最大都市の水戸市の人口シェアは10%以下です。
 さて、こうしたさまざまな人口集積パターンを持つ県のうち、どのタイプが高い経済成長を成し遂げてきたと思われますか。高度成長期を含む長期の経済成長率で見てみると、実は成長と人口集積パターンの間には、関係がほとんどないことが分かりました。
 つまり大都市がないから成長しないわけではなく、豊かになる方法にはさまざまなアプローチがあるのです。地形的に分断されていても、交通や情報インフラの発展で交易のメリットが確保されていれば、豊かな地域社会を築いていくことは可能なのだと思います。


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2018年04月07日土曜日


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