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<震災回顧録>岩手大槌621人の「証」未来へ 全犠牲者の48%掲載し区切り

回顧録第2版のゲラ刷りと昨年発刊した第1版

 東日本大震災で関連死を含め1286人が命を落とした岩手県大槌町で、犠牲者の人柄や被災状況を聞き取った回顧録「生きた証(あかし)」の第2版が完成した。新たに76人分を掲載し、第1版と合わせて621人の「人生」が収録された。2014年度に始まった被災自治体による前例のない事業は、全犠牲者の48%を取り上げるという大きな成果を上げて区切りとなる。
 「生きた証プロジェクト」は、人口の約1割が犠牲になった町で町民有志が主体となって進めてきた。
 17年度は、これまで回答を保留したり接触できなかったりした451人分の遺族に再び打診した。昨年3月に刊行した第1版を読んだことで理解が得られ、掲載を希望する遺族もいたという。
 聞き取り調査に携わった町民有志には震災遺族が少なくない。次女が行方不明という小林一成さん(78)は「自分も遺族だからこそ相手が心を開き、話を聞かせてもらえた。娘の存在を伝え残すこともできた」と振り返る。
 上野ヒデさんは夫と町職員だった長女が犠牲になった。津波で被災した旧役場庁舎の保存を訴えながら編集作業に当たってきたが、第2版の刊行を目前にした今年3月5日、75歳で亡くなった。
 町民有志を率いた高橋英悟さん(45)は「大切な身内を亡くした人が先頭に立ってくれたおかげで、プロジェクトは大きく進んだ。大槌の未来につながる大切な教えが詰まった回顧録ができた」と語った。
 回顧録第2版はA5判、167ページ。900部を発行し、遺族に配布するほか、一般に500円で販売する。連絡先は大槌町文化交流センター0193(27)5181。


2018年04月07日土曜日


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