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<まちかどエッセー・鈴木英子>仙台で暮らして

[すずき・えいこさん]公益財団法人宮城県国際化協会日本語講座スーパーバイザー、東北中国帰国者支援・交流センター日本語講師。著書に『漢字授業の作り方』『どんどんつながる漢字練習帳初級・中級』『使って覚える楽しい漢字1・2』などがある。平成26年度「白川静漢字教育賞最優秀賞」受賞。1954年東広島市生まれ。活力の源は大好きなスポーツ。仙台市太白区在住。

 夫の転勤で仙台に住み、気付いてみれば30年。日本語の支援活動以外にもたくさんの貴重な経験をすることができました。子育てについての思い出は枚挙にいとまがありませんが、特に楽しかったことを二つ書いてみようと思います。
 一つ目は、息子たちが通った仙台一高の伝統行事「強歩大会」で、6年間、高校生に交じって40キロ余りの道のりを歩いたことです。長男の担任の先生に「お母さんもどうぞ!」と言われたのがきっかけとなり、長男にも「やってみたら」と背中を押されたおかげで、長距離経験ゼロにもかかわらずその気になってしまいました。
 無謀な挑戦かと思いましたが、10月の空は高く澄み渡り、風も爽やか。その上、息子と同世代の高校生たちと言葉を交わしながら歩く道のりは想像以上に愉快なものでした。ゴールしてから味わう温泉と豚汁の味も格別で、その後1週間は「世の中に段差があることを呪いたくなるほどの筋肉痛」との戦いが待っているのですが、それを差し引いてもやめられないものとなりました。
 もう一つは、次男が幼稚園時代の話です。当時、園まで2キロの道のりでしたので、徒歩通園をさせていました。ある朝、いつものように歩いていると雪が舞い始めたので、「もし、お迎えの時に雪が積もっていたら、そりを持って行くね」と約束しました。
 その日は雪が降り続き、午後には一面の銀世界。そりを持って迎えに行くと、跳び上がって喜んでいました。次男を乗せて引っ張り始めると、大はしゃぎです。
 途中、あまりにも興奮したせいでバランスを崩し、土手から真っ逆さまに転げ落ちてしまいました。まさに雪だるまです。それが、またすこぶる楽しかったようで、そこからはわざと引っくり返ったり落ちたりを繰り返しながら、家に着くまで笑い転げていました。
 あの時の次男の笑い顔や笑い声、雪道を歩いていると、今でも懐かしく思い出すのです。
(公益財団法人宮城県国際化協会日本語講座スーパーバイザー)


2018年04月09日月曜日


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