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<チームセンダイ>先輩の被災体験、新人に継承 朗読やゲームで心構え共有

新職員研修で、震災当時の職員体験記を朗読するチームセンダイのメンバー

 仙台市職員の自主勉強会グループ「Team Sendai(チームセンダイ)」が、東日本大震災での経験を新規採用職員に伝える取り組みを強化している。災害に向き合う心構えを強く意識し、次の災害に備えてもらうのが狙い。震災から7年。記憶の風化が進む中、行政内部の体験伝承は重要性を増している。

 「震災直後に窓口業務が増え、夜中の1時半まで働くこともあった。各部署で忙しさに差があるので、区役所同士で応援態勢を取る必要があると感じた」
 3日に青葉区の市青年文化センターであった新職員向けの研修。チームセンダイのメンバーが先輩職員の震災体験記を読み上げると、約330人の出席者は真剣な表情で聞き入った。
 体験記の朗読は昨年度から、研修に組み込まれた。近年は震災に対する関心が薄い新職員もおり、当時の苦労や教訓を実感してもらうきっかけになっている。
 本年度は災害対応で実際にあった場面を想定し、行動を選択するカードゲーム「クロスロード」を初めて取り入れた。災害直後で態勢が整わない段階のボランティア受け入れなど、行政が直面する課題について職員が意見を述べ合った。
 青葉区戸籍住民課に配属された武田和幸さん(23)は「自分が知らない当時の状況を知っておく重要性に気付いた。日ごろから災害時にどう行動すればいいか考えたい」と話した。
 市は今後、2012年1月に始めた職員への聞き取りを続けて体験記の充実を図るほか、語り手となる職員の養成を目指す方針だ。
 共同で聞き取りをしている東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授(災害情報学)は「行政の記録は成功例にとどまるケースが多い。チームセンダイの活動は意思決定までのプロセスや当時の心境を伝えることができる」と強調する。
 佐藤准教授によると、被災地の行政職員の中には、当時の判断が正しかったのか、いまだに不安を抱える人もいるという。
 チームセンダイの「仙台市職員から見た震災記録チーム」代表で市防災環境都市・震災復興室の柳谷理紗さん(32)は「震災から7年がたち、重い口を開く職員もいる。経験を語り合い、共有できる場をつくっていきたい」と力を込める。


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2018年04月12日木曜日


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