福島のニュース

住民の帰還を促進 復興作業員の環境整備へ ふたば医療センター院長に聞く

田勢長一郎ふたば医療センター付属病院長

 福島県双葉地域の2次救急を担う「ふたば医療センター付属病院」が23日から診療を始めるのを前に、田勢長一郎院長が河北新報社のインタビューに応じた。東京電力福島第1原発事故で被災した地域で救急体制が十分に整っていない現状を踏まえ、「住民の帰還を促進し、廃炉など復興作業に携わる人たちが安心して働ける環境をつくる」と話した。(聞き手は福島総局・阿部真紀)

 −受け入れ態勢は。
 「常勤医は院長1人だけだが、福島県立医大の外科系と内科系の医師が週交代で1人ずつ派遣される。日中は4〜5人、夜間も2人以上の医師が常駐する」
 「看護師は首都圏の応援を得て30人を確保。リハビリに当たる作業療法士や理学療法士らも配置する。病床は全室個室で30床ある」

 −双葉地域の医療体制の現状をどう見るか。
 「避難指示が一部で解除され診療所もできたが、入院施設や高度な2次救急に対応できる施設はない。住民は受け入れ態勢の不備を懸念して帰還をためらっている。病院の診療開始により住民の帰還を促し、作業員が安心して働ける環境を整えることになる」

 −病院はどのような医療を担うのか。
 「救急医療に加え、放射性物質で汚染や被ばくした患者への初期診療を行う。放射性物質をかぶった服を脱がせ、髪を洗えば約90%は除染できる除染室や、汚染水をためる専用のタンクや配管も備わっている」

 −双葉地域で再開した病院や診療所は9カ所のみ。付属病院が果たす役割は。
 「夜間や休日の診療はもちろん、入院やリハビリにも対応する。必要に応じて訪問看護師を派遣するなど地域包括ケアの中での役割も担う。救急に関する先進的な医療研修にも施設を活用する」

[たせ・ちょういちろう]福島県立医大卒。同大救急医療学講座主任教授、ふたば救急総合医療支援センター副センター長などを経て、2018年4月から現職。会津若松市出身。67歳。


関連ページ: 福島 社会

2018年04月15日日曜日


先頭に戻る