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<この人このまち>環境教育 子に生きる力

◎「大崎自然界部」部長 若見朝子さん(50)/これからの大崎をつくるのは、私たちの孫世代

 市民グループ「大崎自然界部」は、宮城県大崎市にあるラムサール条約登録湿地の蕪栗沼や化女沼を中心に環境教育活動を続ける。部長の若見朝子さん(50)は3人の娘の子育てを通じて大崎の自然と向き合い、自然と触れ合う楽しさを多くの子どもたちに伝えてきた。
(大崎総局・大場隆由)

 −結成9年目の自然界部ができたきっかけは。
 「長女を産んで公園デビューした時、遊ぶ相手がいませんでした。そこで渡り鳥の観察会や農業体験などに家族で出掛けるうちに、知り合った仲間と『何かしたいね』と始めたのが自然界部。これと決めた活動があったわけではないんです。ただ、勉強だけでなく、子どもたちに生きる力を付けてほしいとの思いがありました」

 −どんな活動を。
 「小学生らを対象にした生き物調査やビオトープづくり、田植え体験などに取り組んでいますが、最初に手掛けたのは米袋を使った『米(マイ)バッグ』づくりとペットボトルを再利用した水稲の生育キット『米garden(マイ・ガーデン)』の頒布でした」
 「米バッグは、農家で丈夫な米袋を見たのがきっかけ。おしゃれで重いものも運べて、袋のリサイクルで地元のコメもPRできる。マイガーデンは、田植え経験がない子どもたちにコメのことを知ってもらおうと企画したんです。酒だるを使って米作りを体感してもらったこともありました。米バッグは障害者施設で作ってもらい販売しており、これが部の活動費になっています」

 −東日本大震災後は、東京電力福島第1原発事故の影響から市内で独自に放射線量の簡易測定をしたこともありました。
 「事故で一時、宮城県外に避難しました。線量計を入手し、要請を受けた施設の測定も行いました。事故で感じたのは、ありのままの自然の大切さ。それと自ら知識や情報を得て判断することの重要性でした」

 −今感じていることは。
 「大崎は都市機能を持ちながら豊かな農地があり、身近で渡り鳥の観察ができ、温泉に入ってスキーもできる魅力ある場所。大崎耕土は世界農業遺産に認定され、化女沼はラムサール登録から10年を迎えます」
 「大崎を訪れる人にも、子どもたち同様にこの地の良さを伝えていきたい。これからの大崎をつくるのは私たちの孫の世代になると感じます。その世代に活動をバトンタッチできるようにしたいと考えています」(月曜日掲載)

<わかみ・ともこ>1968年、大崎市生まれ。岩手大特殊教育特別専攻科修了。実家の自動車整備会社を継ぎ、2016年から市教育委員を務める。


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2018年04月16日月曜日


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