岩手のニュース

三陸の診療所に初の小児科 所長は小児医療のエキスパート、古里の医師不足に帰郷決意

乳児を診察する渡辺さん

 岩手県大船渡市三陸町の市国保吉浜診療所が、1957年の開所以来初めて小児科を設けた。所長として診療に当たる渡辺周永さん(51)は地元出身で小児医療のベテラン。「近所のおじさんのように子どもたちに接したい」と意欲を語る。
 渡辺さんは今年1月、隣接地区の綾里診療所長と兼務で着任した。従来の内科診療に加え、吉浜診療所で平日午後に小児科も診る。診療所での乳幼児健診や予防接種が可能となり、小児科の患者数は診療開始から3カ月で126人になった。
 長男の予防接種で来所した三陸町綾里の会社員千田ゆきみさん(35)は「注射した後の様子もしっかり見てくれるし、話を親身に聞いてくれて安心」と話す。
 渡辺さんは宮城県立こども病院(仙台市)神経科や気仙沼市立病院小児科に勤務してきた小児医療のエキスパートだ。医師不足に悩む古里の現実に触れ、約30年ぶりに帰郷を決意した。
 三陸町の15歳以下の子どもは約640人。東日本大震災前より20%減少したが、それでも渡辺さんのような小児神経専門医は貴重な存在だ。広く沿岸各地のてんかん患者らにも対応できる。
 「古里の暮らしは懐かしい」と渡辺さん。渡辺さんの実家である地元の新山(にいやま)神社宮司に就いた妻栄子さん(51)と共に地域社会を守っていく。


2018年04月17日火曜日


先頭に戻る