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<畑ワサビ>福島・伊達の特産、原発事故後初めての出荷「ようやく一歩踏み出せた」

栽培した畑ワサビの箱詰めを前に、出荷再開を喜ぶ生産部会長の引地さん

 福島県伊達市特産の一つ、畑ワサビが、東京電力福島第1原発事故後初めて出荷された。試行錯誤を重ねた結果、放射性物質が検出されず、出荷制限が解除された。生産者は「ようやく一歩を踏み出せた」と笑顔を見せた。
 市内のふくしま未来農協の施設で16日、再開式があり、1箱1キロ入りの20箱がトラックに積み込まれ、東京に向けて出発した。
 畑ワサビは原発事故前、月舘、霊山両地区の山林内の約14ヘクタールで栽培された。生産者は約300人で、年間販売額は約1億円に上ることもあった。
 原発事故で放射性物質の影響を受けやすい山林での栽培は難しくなった。農協は2015年から平地での栽培に挑戦。遮光ネットで山林内の環境に近づけ、カリウム肥料をまいて放射性物質の吸着を防いだ。
 その結果、放射性物質が検出されなくなり、出荷制限は今年3月、一定の栽培条件下で解除された。
 再開した生産者は両地区で15人ほど。出荷認定を受けた面積はまだ計約28アールだが、式に出席した関係者約40人は鼻に「つーん」と来るおひたしを試食し、復活の手応えを感じたよう。
 農協伊達地区の生産部会長引地秀樹さん(60)は「さまざまな壁に突き当たってきたが、ようやく夢がかなった。まだ震災前には届かないが、少しでも多く生産したい」と力を込めた。


2018年04月17日火曜日


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