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<ラグビーW杯>東北のキャンプ地に釜石など6件 石巻、弘前は落選

ラグビー2019W杯キャンプ地東北の内定自治体

 ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会組織委員会は20日、出場チームが1次リーグで使用する公認キャンプ地に、岩手県・釜石市(共同応募)など東北関係6件を含む22都道府県の59自治体、52件が内定したと発表した。日本代表は東京都内の2カ所と浜松市になった。
 東北からは岩手県・釜石市の他に岩手県・宮古市(同)、盛岡市、北上市、山形県・山形市・天童市(同)、福島県が選ばれ、弘前市、八幡平市、石巻市、岩手県雫石町が落選した。
 チームは試合会場や移動に合わせ、複数のキャンプ地を回る。3連覇を狙うニュージーランド代表は大分県別府市など、エディー・ジョーンズ監督が率いるイングランド代表は、共同応募した宮崎県と宮崎市や札幌市、神戸市などに内定した。
 関係者によると、日本代表が練習会場とする1カ所は東京・秩父宮ラグビー場、アルゼンチン代表が使う福島県は東日本大震災による東京電力福島第1原発事故後に対応拠点となったサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)が滞在地になるとみられる。
 国際統括団体ワールドラグビー(WR)のビル・ボーモント会長は「キャンプ地は多くの人や地域と関わり、絆を強めていくきっかけになる」と期待を寄せた。
 16年12月に締め切られた応募には37都道府県の90自治体、76件が候補地として名乗りを上げた。基準を満たす練習施設などが不足したため、組織委が追加で確保を進めてWRと調整した。大会には20チームが出場し、計48試合を開催。来年9月20日に開幕し、11月2日に決勝を行う。

◎歓喜/宮古・福島・山形「復興、魅力を発信」

 ラグビーW杯公認キャンプ地に内定した東北の自治体からは20日、喜びの声が上がった。関係者は各国チームとの交流はもちろん、観光情報発信などへの期待を高めた。
 フィジー、アフリカ地区代表のキャンプ地に内定した宮古市。市は2016年の応募以降、宿泊施設や練習環境などについて岩手県と約20回の協議を重ねた。
 山本正徳市長は「関係機関とがっちりスクラムを組み、万全の受け入れ態勢を構築したい」との談話を発表した。
 アルゼンチン代表を受け入れる福島県は、東京電力福島第1原発事故からの復旧復興の真っただ中。誘致活動では、原発事故からの復興を印象付ける効果などをアピールしてきた。
 キャンプ地には世界の注目が集まる。誘致に当たった小林弘文県エネルギー課長は「風評払拭(ふっしょく)へのアピールになる。県全体の知名度向上や観光活性化につなげたい」と語った。
 山形は山形、天童両市と共に県が代表となって応募した。練習拠点に天童市内の県総合運動公園など、宿泊地に山形市内を想定する。
 「チームの皆さんが万全の状態で試合に臨めるよう準備を進め、県の魅力発信に取り組む」。吉村美栄子山形県知事が力を込めた。

◎落胆/石巻・八幡平「選考方法に不満」

 対照的に、公認キャンプ地から漏れた東北の自治体関係者の落胆は大きい。入念な準備を進めたケースもあり、選考過程に対する不満も聞かれた。
 宮城県内では唯一名乗りを上げた石巻市。ラグビーの体験会を催したり、W杯仕様のトレーニングルームを整備したりと、地域一丸となって準備に取り組んだ。
 市教委体育振興課の大森和彦課長は「がっかりしている。大会組織委員会の視察では芝生の状態も褒められた。なぜ落ちたのか分からない」といぶかった。
 石巻ラグビーフットボール協会の佐々木勝男会長(76)は「出場チームに直接売り込むのを規制するなど選考方法にも不満がある。憤りを感じている」と語気を強めた。
 八幡平市も昨年、国内の有力ラグビーチームの強化合宿を誘致。充実した競技施設、宿泊環境は選手にも好評だった。地道に実績を積み重ねてきただけに、市の担当者は「本当にショック。どうして…」と声を詰まらせた。


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2018年04月21日土曜日


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