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<気仙沼市長選>復興遅れ、残る不満 懐深い市政運営不可欠

3選を果たし、祝いの色紙や花束を手に笑顔を見せる菅原氏=22日午後9時15分ごろ、気仙沼市本郷の事務所

 22日投開票が行われた気仙沼市長選は、無所属現職の菅原茂氏(60)が、無所属新人の行政書士斉藤巳寿也(みつや)氏(53)を破り、3選を果たした。8年ぶり、東日本大震災後では初となった選挙戦は、今後の復興の在り方が大きな争点となる中、「継続」を訴えた菅原氏が制した。

 気仙沼市長選は、菅原氏が新人を退け3選を果たした。ただ、陣営が描いたほどの票差はつけられず、2期8年の実績を市民が高く評価したとは言い難い。
 無名に近い新人相手に陣営が描いた合格ラインは、得票率75%前後。結果は62.1%で、現市政への反発は予想以上に大きかった。
 「復興完遂」と、復興後を見据えた地方創生を軸に93項目もの政策を並べた。子育て支援や人材育成など、どれも重要なテーマではあるが、やや焦点がぼやけ、有権者に伝わりづらかった印象は拭えない。
 3月に公表された県の県民意識調査で「復興を実感する」と答えた住民の割合は、気仙沼・本吉が46.2%と県内最低を記録した。
 区画整理など復興事業の遅れに困惑する住民は多く、災害公営住宅の自治会はコミュニティーづくりに苦労する。水産加工業者は販路縮小と人手不足に悩む。若者が働く場も、十分確保されていない。
 斉藤氏が一定の票を集めた背景に、震災後、住民が持ち続けた行政への不満があったと見るべきだろう。
 国の「復興・創生期間」が終わる2020年度末まで3年しかない。市政の「一丁目一番地」は言うまでもなく震災復興。総仕上げの時期であり、被災者に対し、今まで以上に丁寧かつ迅速な対応が求められる。
 当選を重ねると、庁内外の事情を熟知し、職員ら周囲の意見に耳を傾けなくなるトップは少なくない。今回の批判票を謙虚に受け止め、懐の深い市政運営に当たらなければ、課題山積の港町の再興は難しい。
(解説=気仙沼総局・大橋大介)


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2018年04月23日月曜日


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