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<大川小津波訴訟>控訴審あす判決 事前防災の是非争点

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の19遺族が、市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、仙台高裁(小川浩裁判長)で言い渡される。地震発生後の津波の予見可能性が争われた仙台地裁での一審と異なり、控訴審は学校の事前防災の是非が主要な争点となった。震災前の津波に対する危険認識や、市教委を含めた組織的な防災対応が適切だったかどうかに司法が判断を示す。

 控訴審の主な争点は表の通り。遺族側は学校と河川堤防が近接することや海抜の低さ、学区の一部が津波浸水予想区域だった点などから「児童の津波被災の危険を認識できた」と指摘。当時の校長らは周辺の地理状況を独自に調査確認し、津波避難に対応した危機管理マニュアルを整備すべきだったと主張した。
 市・県側は学校が津波浸水予想区域外に立地し、過去に浸水した記録もないことから「具体的な津波襲来の予見は不可能だった」と強調。マニュアルは学校が避難所に指定されていたことを踏まえた地域の実情に応じたもので、「内容は必要十分で不備はない」と反論した。
 組織対応を巡っては、遺族側が「市教委は津波避難場所の検討や避難訓練を実施しなかった大川小を指導監督すべき注意義務を怠った」と訴え、市・県側は「各校に標準的なマニュアル見本を示し、防災研修会や学校訪問の際に必要に応じた指導や助言をしていた」と強調した。
 大川小には高さ8メートル超の津波が押し寄せ、児童74人と教職員10人が死亡・行方不明になった。2016年10月の地裁判決は、津波襲来の約7分前に市広報車が避難を呼び掛けた時点で、教員らは具体的な津波の危険を予見できたと判断。市・県に計約14億2660万円の賠償を命じ、遺族と市・県の双方が控訴した。


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2018年04月25日水曜日


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