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<福島・大熊>準備宿泊開始、防犯強化へ拠点開設

準備宿泊初日、自宅の庭を愛犬と散歩する井戸川さん=福島県大熊町大川原

 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県大熊町の一部地区で24日、帰還に向けて長期滞在できる「準備宿泊」が始まった。町が来春を目指す対象地区の避難指示解除への第一歩で、第1原発が立地する大熊、双葉両町では初めて。
 対象は居住制限区域の大川原、避難指示解除準備区域の中屋敷の両地区。町によると2地区の計139世帯379人のうち、計8世帯14人(24日現在)が準備宿泊に登録した。避難指示解除まで続け、町は帰還への課題の確認と改善につなげる。
 初日は、登録者が町大川原連絡事務所で手続きを済ませた後、それぞれ自宅へ向かい古里での生活を事実上再開させた。
 大川原地区の井戸川清一さん(64)は昨年、自宅を建て替えた。避難先の南相馬市から片道1時間かけて通い、庭の手入れなどをしてきた。父を昨年4月に亡くし、愛犬と暮らす。
 井戸川さんは「誰にも気兼ねせずに泊まれる。ここが一番落ち着く」と話す。隣接する富岡町に23日、2次救急を担う県立病院がオープンし「不安はない」と言うが、大川原の登録者は6世帯11人。「避難先から戻ってくるのは年寄りぐらいかな」と寂しさを覚悟する。
 町は24日、町安心安全ステーションを大川原連絡事務所隣に開所した。警察官や民間パトロール隊が立ち寄り、防犯を強化する。トイレもあり、自宅に一時的に戻る住民も利用できる。
 2地区の住民登録者は町全体の3.5%。町は大川原地区を復興拠点と位置付け、来春の業務開始を目指し町役場新庁舎を建設。災害公営住宅や商業施設も整備する。約700人入居の東電の社員寮もある。
 大半の町民の住宅がある帰還困難区域では、国が除染とインフラ整備を進める「特定復興再生拠点区域」の事業が始まっている。


2018年04月25日水曜日


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