宮城のニュース

<災害公営住宅>宮城の家賃、本年度9万円アップの世帯も「こんなに高くなるなら入居しなかった」岩手は減免措置

家賃負担の急増を巡って意見交換する災害公営住宅入居者

 東日本大震災の被災者が暮らす宮城県内の災害公営住宅で、入居4年目から割り増しされる収入超過世帯の家賃が本年度、仙台市など6市町の56世帯で最大9万3200円上昇することが、各自治体への取材で分かった。岩手県は県営住宅に入居する被災世帯の減免措置を通じて家賃格差の是正を促しており、宮城県との対応の違いを指摘する声も上がる。

 「こんなに高額になるのだったら最初から入居しなかった」「働き盛り世代が次々退去し、高齢化が進行する」。今月中旬、仙台市青葉区であった災害公営住宅入居者の意見交換会で収入超過世帯の家賃急増に不満が相次いだ。
 市内では2014年度に入居が始まった上原、田子西、荒井東、若林西、鹿野の5災害公営住宅で39世帯が収入超過となる。4万1000円から13万4200円に増えた世帯もあり、県内で最も上昇幅が大きい。
 市は割り増し分の減免はしない方針のため、入居者らは今後、市に助成措置を要望する構えだ。市の担当者は「市内は民間賃貸住宅が豊富で沿岸市町とは住宅事情が異なる。一般の市営住宅も満室状態にあり、特段の対応は難しい」と理解を求める。
 県内ではほかに南三陸町7世帯、亘理町4世帯、美里町3世帯、大郷町2世帯、大崎市1世帯が収入超過に該当する。子どもの就職による収入増加や家財など雑損失の繰り越し控除の終了が主な要因で、多くが数万円単位で上昇した。
 一方、沿岸の5市町は割り増し分を独自に助成している。石巻、東松島両市は入居8年目まで、塩釜市と山元町は18年度分の家賃を据え置く。女川町は助成を10年目まで継続。19年度以降に対象世帯が生じる気仙沼市は10年目までの減免を表明している。
 岩手では被災者が入居する県営住宅の家賃上限を県が設定し、沿岸7市町が足並みをそろえた。県建築住宅課は「災害公営住宅間の家賃格差をなくす必要があった」と説明する。
 福島ではいわき市や相馬市が独自助成を講じ、県も県営住宅への入居が4年目となる19年度以降に減免措置を講じる方針。県建築住宅課は「岩手の例を参考に制度設計を急ぎたい」との考えを示す。
 宮城県は独自の減免措置はせず、家賃引き上げの判断を市町に委ねる方針を崩していない。被災自治体からは「財政規模が小さい市町ほど負担が大きく、県がリーダーシップを取るべきだ」との要望が出ている。

[収入超過世帯]公営住宅法では入居3年が経過し、所得月額が15万8000円を超えると4年目以降の家賃が段階的に引き上げられる。宮城県の試算では、将来的に災害公営住宅の987世帯が対象になる。入居5年が経過し、所得月額が2年連続で31万3000円を超えた「高額所得」に該当する212世帯と合わせて1199世帯に達する見通し。


関連ページ: 宮城 社会

2018年04月26日木曜日


先頭に戻る