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岩手ワインで勝負 県、担い手育成に本腰 栽培から経営まで指南

アカデミーでブドウの苗木の植え方を学ぶ受講生

 岩手県が醸造用ブドウ栽培や県産ワイン生産の拡大に力を入れている。今秋に迫る「ご当地ワイン」表示の厳格化に着目。これを逆手に取って一気に市場へ打って出る戦略だ。
 県農業研究センター(北上市)で17日、「いわてワイン生産アカデミー」の実践講座が始まった。ワイナリー経営を目指す約25人が10カ月間、ブドウの栽培ノウハウを実地で学ぶ。
 苗木を植えた農業吉田千尋さん(27)は、盛岡市内へのワイナリー設立を計画中。「地元食材と合わせて売り出せば、地域全体が経済的に潤う」と構想する。
 アカデミーは県が2017年度始めた「いわてワインヒルズ推進事業」の一環だ。ワイナリー経営者らが講師になってワイン生産の担い手を育成。講義は製造技術にとどまらず、資金調達、販路開拓など経営戦略も重視する。
 こうした取り組み強化は国税庁の新基準がきっかけになった。10月完全施行の新基準では、国産ブドウだけを原料に国内で醸造されたものが「日本ワイン」を名乗れる。
 さらにご当地ワインの場合、地域内で収穫されたブドウを原料の85%以上に使用し、現地で醸造しないと地名付き商品名をラベルに表示できない。
 県農産園芸課は「岩手の気候は昼夜の寒暖の差が大きくブドウ栽培に最適」と強調。新基準施行を見据え国産ブドウの需要が増えている点に着目し、ワイン関連産業で県内経済の底上げを狙う。
 岩手のワイン生産は16年度で約670キロリットルと10年で1.5倍に増加した。うち純国産の日本ワインが約600キロリットルを占め、全国5位につける。
 受講者の中には、早くもワイナリー経営を始めた人もいる。
 アカデミー1期生の小谷雄介さん(50)が副理事長のNPO法人遠野まごごろネット(遠野市)は市内にワイナリーを開設し、今月350本を初出荷した。来年は一気に8000本まで生産量を増やすという。
 小谷さんは「ゼロからの挑戦だったが、技術だけでなく資金面まで学べたことが役立っている」と手応えを語る。


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2018年04月26日木曜日


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