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<大川小津波訴訟>議会、迫られる賛否 選挙迫る石巻「専決処分を」議会招集求める県「議論の場を」

 学校の事前防災の過失を認め、石巻市と県に賠償を命じた26日の大川小津波事故訴訟の控訴審判決。市議会と県議会は、上告する場合に賛否を迫られる可能性が出てきた。市議選(5月13日告示、20日投開票)を間近に控える議員からは「専決処分を」との本音が漏れる。一方の県議会は、村井嘉浩知事が専決処分で控訴を決めた経緯を踏まえ、議会の招集を求める声が相次いだ。
 「一審と同様、賠償を命じた判決を重く受け止める。議会としても慎重に対応しなければならない」。石巻市議会の丹野清議長は厳しい表情で語った。
 控訴を巡る2016年10月の市議会臨時会では賛否が割れ、賛成16、反対10で関連議案を可決した。
 大川小の事前防災の不備にも踏み込んだ控訴審判決を受け、控訴に賛成した議員は「市側の勝訴が困難になったとの印象だ」と指摘。反対に回った議員は「市教委は誠実に受け止め、議論を積み重ねてほしい」と上告に否定的な見解を示した。
 市議選は定数30に対し、26日現在で計38人が立候補を予定し、激戦が予想される。市議会で賛否を明らかにすることが選挙戦にどう影響するのか、多くの現職が測りかねている。
 ベテラン議員は「選挙が近づき慌ただしくなる中、上告について判断する余裕はない。専決処分を望む議員は少なくないのでは」と打ち明けた。
 控訴時は議論の場さえなかった県議会からは、丁寧な議会対応を望む声が上がる。民進党系会派「みやぎ県民の声」の藤原範典会長は「全員協議会で議員の意見を聞き、県の態度を決める際は臨時会を開くべきだ」とくぎを刺す。
 「専決処分とせず、県民代表の議会の声を聞くべきだ」。共産党県議団の遠藤いく子団長も足並みをそろえ、社民党県議団の岸田清実団長は「知事が議会の場で今後の方針を説明するのが筋だ」と強調した。
 知事を支える最大会派「自民党・県民会議」の菊地恵一会長は「厳しい判決で厳粛に受け止めないといけない」としつつも、今後の対応については「推移を見守る」と明言を避けた。
 与党には上告断念を求める声もある。控訴に反対した公明党県議団の庄子賢一会長は「一審と変わらない対応になるだろう。判決が速やかに判例になるようにすべきだ」と促す。
 自民会派の被災地選出議員は「全面敗訴と言っても過言ではない。(市と県は)猛省すべきだ」と苦言を呈し、「(上告は)あってはならない。仮にするならば追及する」と語気を強めた。


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2018年04月27日金曜日


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