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<大川小津波訴訟>「学校防災の礎に」「子どもの願いかなった」涙流す遺族

記者会見に臨んだ遺族。犠牲となったわが子への思いを胸に、学校防災の向上を訴えた=26日午後4時15分ごろ、仙台市青葉区の仙台弁護士会館

 宮城県石巻市大川小津波事故訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は26日、学校側の組織的過失を認めた。わが子を失った悲しみ、真相が見えない苦しみ、理不尽な事後対応への憤りに苦悩した末の提訴から4年。「学校防災の礎になる判決」「子どもの願いがかなった」。遺族らは涙を流し、抱き合って喜びを分かち合った。

 判決後の記者会見には遺族15人が参加し、時折涙に声を詰まらせながら思いを語った。
 「ほっとしている。子どもの命を救うために必要な主張が認められた」。6年だった長男大輔君=当時(12)=を亡くした原告団長の今野浩行さん(56)は、学校防災の在り方を左右する裁判の重責から解放され、安堵(あんど)と喜びを語った。
 二審は、一審で争われた現場の教職員が津波の襲来を予見できたかには触れず、震災前の備えに争点を絞った。高裁判決は避難場所などを定めた危機管理マニュアルの整備や指導における校長ら学校幹部と市教委の過失を認定。適切な備えがあれば、地震発生6分後には避難を開始できたと判断した。
 「やっとここまで来たという思いと、7年もかかったという思い」。3年の長女未捺(みな)さん=同(9)=が犠牲となった只野英昭さん(46)は複雑な胸中を明かし、「やっとスタートライン。悲劇を繰り返さないために、行政や学校も同じ方を向いて進むことを願う」と語った。
 津波襲来に至る約50分間の真相は明らかになっておらず、唯一生き残った男性教務主任(57)の証人尋問も実現しなかった。今野さんは二審が問わなかった市教委の事後対応も念頭に「検証の再開につながる」と期待を込めた。
 一審判決時は被告側が即座に控訴を判断した。6年の三男雄樹君=同(12)=を失った佐藤和隆さん(51)は「判決には、県と市が何をするべきか明記されている。子どもの命を守るための判決を重く受け止めて判断してほしい」と上告断念を強く訴えた。


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2018年04月27日金曜日


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