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<杜の都のチャレン人>文化の土壌 耕したい

菅原さん(中央)が企画したタイのスラムの写真集「KLONG TOEY(クロントイ)」のフェア(25日で終了)。撮影した写真家橋本裕貴さん(左)らも訪れた=4月2日

◎ミュージアムショップで書籍を担当 菅原匠子さん(38)

 タイのスラムを撮影した写真集なら、写真を展示し、スラムの女性らの手工芸を生かしたアクセサリーと雑貨を並べる。挿絵が愛らしい理工系書籍の場合は、直接やりとりして著者お薦めの本をそろえ、イラストレーターが手掛けた版画を展示。オリジナルのブックカバーまで用意する。
 「フェアは1冊の本を売るための大掛かりな仕掛け。本に詰まっているものをピックアップし、文具を組み合わせたりして間口を広くすると、届きやすくなる」
 仙台市青葉区のせんだいメディアテーク1階「カネイリミュージアムショップ6」で書籍の仕入れなどを担当する。年に数回企画するフェアは、売り上げに大きく貢献するとは限らない。「すぐに反応がなくても、見た人の中に何かが残るはず」と信じ、手に取りたくなる工夫を凝らす。
 絵で食べていくことを志していた2005年、当時メディアテークにあったアートショップで働き始め、書籍の担当になった。もともと本好き。気付くと絵から比重が移っていた。東日本大震災で店が撤退、「カネイリ−」が開店することになり、声が掛かった。
 アートや写真、建築、手仕事、生活、哲学、社会…。雑貨や工芸も扱う店の特色、本やアートに関心のある人が集う建物の特性、仙台という地域を意識して選んだ約3000冊を内容別に並べる。自ら目を通し「全力で信用できる本」がほとんどだ。
 日々心掛けるのは、かわいらしい本のついでに少し難解な本に手を伸ばす、そんな棚作り。「いつも読んでいる本が物足りなくなったときの一歩先、その先を用意し、年月をかけて文化の土壌を耕していくことを意識しています」
 フェアや選書が注目されることも増えたが「本の後ろに隠れていたい」と至って控えめ。自分のペースで1冊1冊の背景を学び、知識を深めていくつもりだ。(ま)

[すがわら・しょうこ]80年仙台市生まれ。大学を卒業後、アートショップなどを経て12年から「カネイリミュージアムショップ6」に勤務。書籍の他、CDも担当し「局地的なヒット」が生まれたこともある。青葉区在住。


関連ページ: 宮城 文化・暮らし

2018年04月28日土曜日


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