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消えるおふくろの味 福島・富岡の弁当店閉店 被災地再建を後押し 人件費、材料費高騰ネックに

常連客が次々と訪れ、おふくろフード閉店を惜しんだ

 福島県富岡町の弁当店「おふくろフード」が27日、閉店した。公設民営の複合商業施設「さくらモールとみおか」内で手作りの総菜を提供。東京電力福島第1原発事故の被災地の暮らし再建を後押ししてきた。
 最終日は午前11時の開店と同時に常連客らが次々と来店。注文を受けて作る人気のカレーや配達分を含め約200食が完売した。
 おふくろフードは2016年11月25日、モールの一部開業に合わせて営業を開始。避難指示が続く中、町出身の主婦らが避難先のいわき市などから通い切り盛りしてきた。
 閉店は人件費や材料費がかさんだことなどが理由。昨年春の避難指示解除から1年が過ぎ、「復興を食で支える」役割をある程度果たしたと判断した。
 従業員の一人、田中美奈子さん(73)はメニューの考案、仕入れ、調理、接客と何でもこなしてきた。
 「必死に走り続けた17カ月だった。惜しんでくれるお客さんが多く、道半ばという思いもある。町の再スタートを後押しできたことは誇り」と胸を張った。
 常連の近所の女性(80)は「栄養バランスがいい弁当と店の人の笑顔に毎日の健康を支えてもらった。なくなるのはつらい」と惜しんだ。
 核店舗にスーパーなどが入るモールは昨年春の全面開業で、店舗撤退は弁当店が初めて。


2018年04月28日土曜日


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