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<大川小・止まった刻>防災に強い教師育成/被災地宮教大の取り組み 村松隆学長に聞く

村松隆(むらまつ・たかし)仙台市出身。静岡大大学院修了。2001年から宮城教育大教授。付属防災教育未来づくり総合研究センター長、教員キャリア研究機構長を経て4月から現職。専門は有機物理化学など。65歳。

 児童と教職員計84人が津波で犠牲になった石巻市大川小の事故を筆頭に、東日本大震災では教職員の防災意識が問われた。宮城教育大の前防災教育未来づくり総合研究センター長で、本年度、学長に就任した村松隆氏は「教師の最も重要な使命は子どもたちの命を徹底して守ること」と断言する。被災地の教育大として教員養成にどう取り組むか、現状と構想を聞いた。
(大川小事故取材班)

 −学校管理下で多数の犠牲を出した大川小事故をどう受け止めていますか。

 「震災前は教員養成課程で防災教育に力を入れていたわけではない。その意味でわれわれは非常に大きな責任があると認識している。教員養成大として、あのような事故を絶対に繰り返さぬよう、子どもの命の大切さを前面に出した教育環境を早急に整えたい」

 −教員の卵に防災をどう教えていますか。

<全学生に必修化>
 「防災を教員になるための基礎科目と位置付け、震災2年後に全学生に必修化した。2016年度には防災教育の研究センターを設けた。今後は知識や経験を積んだ学生を認定する『防災マイスター制度』を整備・促進し、さらに教育の質を高めていく」
 「知識・手法だけが大事なのではない。被災地に赴き、肌で感じ取ることは多くある。大川小事故などの新聞記事を教材として『君はどう思うか』と学生に問い掛けることも重要だ。実習や研修、授業などを通じて深く考え、追求してもらうよう工夫している」

 −被災地の教育大の役割をどう認識していますか。

<手法 社会に発信>
 「今後も全国各地で自然災害は起きる。防災力は教員が必ず備えるべき資質だ。宮教大の教員養成課程を通じて、学校現場で防災のけん引役になれる自信を学生に身に付けさせたい。被災地の大学の役割を追求し、具現化していく考えだ」
 「宮教大は課題解決型などさまざまな教育手法で防災の力、考え方を養う仕組みを導入している。こうした教育を社会に発信していくことも被災地東北の教員養成大としての役割だ」

 −今後の展望は。

 「学生の被災地ボランティアなどを通じ、7年間で多様なノウハウや情報が集積されてきた。防災教育プログラムにどう活用するかが今後の課題だ。3月に東北大災害科学国際研究所と連携協定を結んだ。多様な研究成果を基にした質の高い防災研究・学習ができるのではないか」
 「教師は児童・生徒の命を預かっている。その最も重要な認識の下、防災に強い教師の育成、現職教員の研修を進め、全国モデルになり得るように取り組み、発信していきたい」


関連ページ: 宮城 社会 大川小

2018年04月29日日曜日


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