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被災女性の抱える心情、メッセージ付き写真で発信 東京のNPOが40回超える展示会

仙台市で開かれた写真とメッセージの展示会。被災地の女性の課題解決にも役立っているという

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した女性たちの心情を、メッセージ付きの写真で発信する展示会が国内外で開かれている。開催は40回を超えており、主催団体は「被災女性が抱える問題を伝えつつ、自身のケアにもつながる」と意義を語る。
 仙台市内でも2月中旬に展示会が開かれ、約100点の写真が並んだ。
 東京に自主避難する宮城県出身の女性は、県から届いたアンケート用紙を撮影した。添えられたメッセージは「故郷からの便りはほとんどが私にとって意味がなく感じてしまう」。住み慣れた土地を離れた苦悩がにじんだ。
 仮設住宅で独り暮らしする女性は、防犯のために男性用の靴を置いた玄関の写真を展示。放射能汚染を心配して子どもと関東地方に避難した母親は、メッセージで孤独感を吐露した。
 展示会はNPO法人フォトボイス・プロジェクト(東京)が主催する。共同代表を務める米ミシガン大社会福祉学大学院の吉浜美恵子教授が、被災地支援の一環として活動を立案。2011年6月から避難所などで被災者に協力を呼び掛けた。
 当初は懐疑的だった女性も写真を撮り、話し合いを重ねるうちに涙を流して体験を明かすようになったという。
 当初5人だった参加女性は、首都圏への避難者を含めて約50人に増えた。吉浜教授は「個人の問題を発信して広く共感を得ることで、精神的に満たされる効果も大きい」と話す。
 展示会はフランス、米国などでも開き、今年2月には作品集「被災した女性たちが提示する防災・復興の課題−東日本大震災のフォトボイス」を発行した。1部2500円。連絡先はフォトボイス・プロジェクトのメールアドレスphotovoicejapan@gmail.com


2018年04月30日月曜日


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