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<宮城のご当地マラソン>(1)東松島クロスカントリー大会(東松島市)/半世紀の歴史 誇り高く

昨年の第50回記念大会。かつて過酷を極めたレースは、誰もが楽しめる雰囲気に変わった

 マラソンブームは衰え知らず。市民マラソン大会は県内各地で季節ごとに開かれている。杜の都を駆け抜ける13日の仙台国際ハーフマラソンだけでなく、根強いファンを持つ地域密着のレースがある。地形を生かしたコース、沿道の声援、眺望、ごちそう。魅力は多彩だ。ランナーも応援する人も、老若男女が思い思いのペースで楽しめるご当地マラソンを紹介する。
(10回続き)

 舞台は晩秋の田園地帯。鷹来(たかぎ)の森運動公園を発着点に公園周辺を駆け抜ける。クロスカントリーながら走りやすく、親子や年配の参加者も多い。昨年の第50回記念大会は730人が出場。多様な世代が和やかに健康づくりを楽しんだ。
 県内有数の歴史あるレースで第1回は1967年1月。今からは想像できない、厳しい戦いの場だった。
 狙いは厳寒期の鍛錬不足を補う体力の強化。コースらしきものは砂利道、あぜ道、山道。名だたる実業団選手が勢いよく雪の斜面を駆け上って滑落する。田んぼを横切って泥にはまる。
 「一年で一番寒い時期が選ばれた。強くても勝てない。過酷なレースだった」。市体育協会専務理事の小山直美さん(64)が語る。
 第1回大会に出場した。参加者は136人。矢本一中の運動部の生徒が駆り出された。小山さんは卓球部に所属。「練習の一環で出場し、終わるとまた練習に戻った」と懐かしむ。
 当時マラソン大会は少なく、すぐに県内屈指の規模になった。第6回大会以降は1000人を超えた。出場選手1人に対し、計測係、選手への伝達係、記録係の3人を要した時代。地元の体協やボランティアが気力で運営を支え続けた。
 東日本大震災の年は開催を断念した。甚大な被害を受けた東松島市には、全国のマラソン大会で在庫となっていた各大会のTシャツが大量に寄せられ、被災者に感謝された。
 市民マラソンは今、参加賞や著名ゲストを競う時代に入った。参加料が安く、手作りの大会は影が薄れてゆく。50回大会で終えることも検討したという。
 小山さんは「どんな大会でも、優勝すればその人の人生が変わることがある」と継続の意義を説く。細く、長く。小さな大会は誇りを胸に地域で輝き続ける。

<走ってみよう>
 主催は東松島市体育協会。高校・一般男子は8キロと4キロ、同女子4キロ、中学男女各3キロ。小学4〜6年男女各2キロ、ファミリー(小学1〜3年の親子)1.5キロ、ペア(合計年齢50歳以上)2キロ、健康づくり(小学生以上)2キロの計10種目。定員は設けず、参加料は1000〜1800円。毎年11月の最終日曜に開催。応募締め切りは開催日の約1カ月前。地域住民による飲み物提供や軽食の販売がある。連絡先は市体協0225(82)9030。


2018年05月01日火曜日


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