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<大川小津波訴訟>10日上告期限、石巻市長8日までに判断「まだ決めていない」苦悩にじむ

大川小津波訴訟の対応を協議して議長室を出る亀山市長

 東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決を巡り、亀山紘市長は1日、市議会の丹野清議長と会い、上告か判決受け入れかの判断を8日朝までに決めることを申し合わせた。亀山市長は1日までに市議会全会派に判決内容を説明、同日は市教委や市側代理人と対応を協議するなど慌ただしく動いた。報道各社の取材に「まだ決めていない」と厳しい表情で語り、苦悩をにじませた。

 亀山市長は1日午後、菅原秀幸副市長らと議長室を訪問。丹野議長、大森秀一副議長と約40分間協議し、検討状況を報告した。
 終了後の取材に、亀山市長は「いろいろな意見交換をした。(上告の判断は)全く決めていない」と述べた。丹野議長は「8日朝までに連絡がなければ議会で対応できない。そこまでに決定してほしいと伝えた」と説明した。
 上告する場合、臨時会での議決と市長の裁量で行う専決処分の方法がある。丹野議長は「専決処分は議会軽視になる」として臨時会を開く方向で調整するように伝えた。
 判断の期限とした「8日朝」は上告期限の10日から逆算して設定。その場合、9日に臨時会を招集し、関連議案を審議する。上告しない場合は招集しない。
 丹野議長によると、亀山市長は「上告するにせよ、しないにせよ大変な思いだ」などと話し、悩んでいる様子だったという。
 議長との会談に先立ち、亀山市長は市側代理人の松坂英明弁護士、市教委と市長室で話し合った。松坂氏との協議は判決翌日の4月27日に続き2回目。判決解釈の説明を受けたとみられる。松坂氏は取材に「意見交換をした。一般的には期限の2、3日前には決めてもらいたい」と述べた。
 亀山市長は2016年の控訴判断の際、一審仙台地裁判決の2日後に方針を固め、臨時会の招集を申し入れた。採決の結果、賛成16、反対10で可決された。
 今回の上告判断を巡っては、当時控訴に賛成した議員からも「勝訴の見込みがない」と危ぶむ声が出ている。市議選(20日投開票)を控え、前回賛成した議員が判断を変える可能性もある。採決の行方は見通せず、亀山市長の判断を一層難しくさせている。
 判決後の記者会見で亀山市長は「早い段階で判断したい」と述べたものの、決断は大型連休明けとの見方も出ている。
 一方、県は4月27日に県議会の会派会長懇話会で、判決内容を説明。1日も一部会派への説明を続けた。出席した県議の一人は「控訴時は判決から時間を置かずに決断し、批判を浴びただけに、今回はぎりぎりまで悩むだろう」とみる。

◎どちらもリスク/市長・一問一答

 亀山紘石巻市長は1日、市役所で河北新報社などの取材に3度応じた。主なやりとりは次の通り。

 −自身の考えは。
 「まだ決まっていない」

 −悩んでいるのか。
 「市の立場としては慎重に考えないといけない」

 −議会は必ず招集するのか。
 「(その前に)上告するかしないか、どちらもリスクがある。そのリスクをどのように最小限にするか検討中だ」

 −大型連休中の議会招集はあるのか。
 「(市議選に向けた)活動があるから難しいのではないか」


2018年05月02日水曜日


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