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<福島廃炉への道>核燃料の落下経路、複数ある可能性

圧力容器を支える台座底部の解析画像。一面にある堆積物のうち、左手前の部分は高さ70センチを超えるとみられる(東京電力提供)

4月1日〜30日

【4月】
3日  東京電力はスマートフォンによる一斉避難指示のシステム運用を始めた。約5000人の廃炉作業員に入構時、1台ずつ貸与。衛星利用測位システム(GPS)などで避難状況を確認する。通常の電話連絡にも利用できるが、核物質防護の観点からカメラ機能は使えない。
11日  放射性物質のストロンチウムなどを除いた処理水を1、2号機の原子炉建屋に再度注水する配管を増設。循環させる水量を増やし、汚染水の放射性物質濃度を効率的に下げる狙い。2019年度末の放射性物質濃度について、東電は「未設置より約4割下がる」との見通しを示した。
13日  建屋周囲の水をくみ上げて汚染水の発生を抑える井戸「サブドレン」の機能を強化するため、増設したタンクの利用を始めた。くみ上げた水をためる集水タンクは3基から7基、放射性物質を除去した処理水の一時貯水タンクは7基から11基に。1日の最大処理量が1.6倍に増え、東電は「台風の時期にも対応できる」と説明した。
16日  使用済み核燃料の取り出しに向け、2号機原子炉建屋の西側壁面に開口部を設ける工事に着手した。17日にかけて厚さ20センチのコンクリート壁の9カ所を直径11センチの円柱状にくりぬき、内側の汚染状況を調べた。濃度は最大1平方センチ当たり290ベクレルで、作業員が入った実績のある建屋1階(1000ベクレル)より低く、東電は「作業継続に問題はない」と判断した。
18日  構内で自動運転による電気バスの利用を始めた。15人乗りの車両3台を導入し、入退域管理棟と休憩所を結ぶ往復2キロのルートを走る。
26日  今年1月に実施した2号機の原子炉格納容器の内部調査で撮影した画像の解析結果を公表した。溶け落ちた核燃料(デブリ)の落下経路が複数ある可能性があると分かった。

◎デブリ積もり二つの山

Q 東京電力は福島第1原発2号機で今年1月に実施した原子炉格納容器の内部調査の詳しい分析結果を公表した。
A 格納容器内を撮影した画像を鮮明化したところ、溶け落ちた核燃料(デブリ)を含むとみられる小石や粘土状の堆積物が、圧力容器を支える台座の底一面にあることを確認した。積もった高さはまちまちで、70センチ以上の「山」になっている箇所が少なくとも2カ所あり、デブリの落下経路は複数ある可能性が明らかになった。
Q 「山」になった堆積物の上は、どんな状況になっているか。
A 二つのうち一つの上は、作業用足場が脱落していたり、圧力容器につながる測定装置が付着物に覆われて見えなくなったりしており、デブリが落下した跡と推測される。もう一方の山の近くには、作業用足場に似た格子状の落下物が確認できたが、上部の様子は分かっていない。
Q 東電は追加の内部調査を実施する方針だ。どんな内容になるか。
A 格納容器内にアーム型の装置を挿入し、さらに詳しい堆積物の分布や場所ごとの空間放射線量を調べる。時期は未定。もし堆積物のサンプルを採取できれば、性状や組成を調べてデブリの取り出しに生かせるが、サンプル採取まで進むかどうかは「検討中」と説明している。
Q 2号機の内部調査は1、3号機より進んでいる。デブリ取り出しを最初に試みるのは2号機になるのではないか。
A 東電は「総合的な検討を続ける」と強調し、慎重姿勢を変えていない。


2018年05月02日水曜日


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