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<福島・楢葉>帰還高齢者に、元気湧く食を 農家レストランきょう開業

知人らを招いた試食会でメニューを紹介する山内さん夫妻

 福島県楢葉町社会福祉協議会を3月で定年退職した山内富子さん(60)が3日、農家レストラン「げんき庵(あん)」を同町北田の自宅で開業する。東京電力福島第1原発事故の避難先から戻った町民は高齢者が多く、「健康に配慮した食事と語らいの場を提供したい」と意気込む。

 30年前に青森ヒバを使って建てた入り母屋造りの家(約225平方メートル)を改修した。予約制でおまかせ定食(1000円)を提供。公務員をしながら約40年間、農業を営んだ夫康一さん(64)が自宅の畑などで育てる野菜をできる限り使う。
 富子さんは町社協に23年間勤め、主に体操などを通じた介護予防を担当。原発事故後、あり合わせのもので食事を済ませる高齢世帯が多い現状に危機感を持った。
 2015年9月に避難指示が解除された町は店が減り、買い物も不便。町内で再開した介護予防教室では、参加者と昼食を作る活動も始めた。「運動と食事は両輪。時々でもバランスの良い食事を取ることが必要」。レストラン開業の大きな動機となった。
 知人らを招いた4月30日の試食会では、しらたきやエノキダケなどを油揚げで包んだ福袋や自家製ホウレンソウの白あえなど6品とご飯、みそ汁を用意した。
 農家レストランは夫婦で避難前から温めていた夢だった。康一さんは避難先のいわき市と行き来しながら野菜づくりを再開。約30アールの畑で小松菜やカブ、サヤエンドウなどを作る。
 康一さんは「農業は楢葉の復興に欠かせない。旬の野菜の味を料理で知ってもらい、庭先での野菜販売も考えたい」と言う。
 北田地区は、商業施設などが入る町の復興拠点「笑(えみ)ふるタウンならは」の整備が進み、災害公営住宅への入居も本格化した。
 富子さんは「話をできる場が欲しいと言うお年寄りは多い。食事やお茶を楽しんでもらい、元気になっていただきたい」と話す。
 営業は午前11時〜午後4時。午後2時以降は飲み物とスイーツのみ。日・月曜定休(今月6日は営業)。連絡先は、げんき庵090(3128)8986。


2018年05月03日木曜日


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