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<展望 半島の拠点>石巻復興まちづくり(上)北上/行政機能 高台に集約

石巻市北上町地区の新たな拠点が整備される造成地。敷地のそばに北上中校舎(左)が立っている
北上総合支所(左奥)とこども園(右手前)、消防署出張所の完成イメージ図

 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市の北上、雄勝、牡鹿の3地区で拠点エリア整備が進む。公共の建物や観光施設、商店を集約させる計画で、いずれも2019年度中の完成を目指す。市街地に比べ復興の遅れが指摘される半島沿岸部の将来を展望する。(石巻総局・鈴木拓也、関根梢)

<人口流出 深刻>
 北上町地区の新拠点は壊滅的な被害を受けた旧中心部から約2キロ離れた高台の北上にっこり団地内に整備される。総面積2.4ヘクタールで、完成目標は2020年2月。今はまだ更地で道のりの険しさをうかがわせる。
 計画では市総合支所をはじめ、公民館や消防署出張所、警察署駐在所を集積させる。震災後に三つの小学校を統合した北上小新校舎やこども園もエリア内にできる。土地の造成が続いており、各施設の着工は8月以降になる見通しだ。
 予定地にあったプレハブ仮設住宅が整備に時間を要する一因だった。同団地には北上町地区で最多の178戸が建った。退去完了は昨年9月末。解体は今年3月までかかった。
 同団地の自治会長千葉宏一さん(71)は「やっと仮設住宅をばらしたばかりだから、遅れは仕方ない」と理解を示しつつ、「拠点エリアが完成したら利便性が高まるのは間違いない」と期待する。
 2015年国勢調査によると、北上町地区の人口は震災前の10年比で34.64%減の2430。震災後の流出は深刻さを増す。人口減を食い止めるには、拠点性の確立とともに外部から人を呼び込む取り組みが急務だ。

<生活道 要望も>
 北上町地区全体には、地域の中核となる施設が次々と完成している。旧中心部の月浜地区には4月18日、環境省の交流施設「石巻・川のビジターセンター」が開所。式典で佐藤茂宗副市長は「沿岸地域の復興が加速すると確信している」と完成を祝った。
 今年2月には特産ワカメなどを扱う市北上観光物産交流センターがオープン。相川地区には4月、待望のコミュニティーセンターができた。白浜海水浴場は今夏本格再開するなど、地域の復興は少しずつ形になってきた。
 新拠点の周辺環境を巡り、住民から注文が出ている。同団地の外から新拠点につながる道路は国道398号に接続する一本道しかない。千葉さんは「住民生活を考えれば反対側の北上町女川地区に抜ける道が必要だ」と訴える。
 同団地の自治会と北上地区行政委員会は今年3月、亀山紘市長に団地と北上町女川地区を結ぶ道路の設置を要望した。
 委員会会長の佐藤富士夫さん(69)は「新しい道路があれば小中学校への通学も楽になる。拠点にふさわしい整備を進めてほしい」と実現を心待ちにする。


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2018年05月04日金曜日


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