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<中高の部活動指針>スポーツの現場困惑 私立校「一律には無理」

放課後の部活に励む仙台市立中のバスケットボール部員

 スポーツ庁がまとめた中学、高校の運動部活動の指針を巡り、東北の指導現場に戸惑いが広がっている。今月下旬には各県で高校総体が始まり、これから練習に熱が入る時期。私立校からは「一律の運用は無理。結局はうやむやにせざるを得ない」との声も上がる。

 「朝練がないと生徒がだらける」「スポーツ界の停滞につながる」。宮城県で4月にあった陸上の県春季大会。指導者の間では指針への対応をどうするかという話題で持ち切りだった。
 スポーツ庁は3月、「活動時間は平日2時間」「週休2日以上」などを柱とする指針を公表。宮城県教委はこれに加え「朝練習は原則禁止」を打ち出し、現場の動揺はさらに広がった。
 中学、高校スポーツは5月から最盛期に入り、県高校総体を皮切りに中総体、インターハイと熱戦が続く。全国を狙う強豪校、特に越境入学の生徒もいる私立校にとって、競技力への影響が懸念される練習制限は容易に受け入れられない。
 仙台育英高陸上競技部女子の釜石慶太監督は「今のところ、練習を減らす予定はない。指針の趣旨は理解できるが、選手や保護者のニーズも考えないといけない」と強調する。
 他県の指導者も当惑した表情を浮かべる。青森山田高サッカー部の黒田剛監督は「正直、困惑している。各競技で事情や条件が異なるのに、全てをひとくくりにするのは、あまりに安易だ」。全寮制で週6〜7日練習する花巻東高硬式野球部の流石裕之部長も「指針を認めるかどうかも含め、対応を検討中」と方針を決めかねている。
 仙台市教委は各校にスポーツ庁の指針を伝える一方、「今月中旬に市の暫定版ガイドラインをまとめたいが、混乱を避けるため周知は6月の市中総体以降」と当面は現場の判断を尊重する考えを示す。
 現場では「生徒個人の自主的な朝練は認められるのか」など疑問が尽きない。宮城県教委は「朝練禁止はあくまでも原則で、全ての活動を拘束するものではない。生徒の健全育成と教職員の働き方改革を柱に、各校で年間スケジュールを作って柔軟に対応してもらいたい」と理解を求める。


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2018年05月04日金曜日


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