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吉野作造の講義録出版 仙台の元教員ら6人、7年かけ英語交じりの内容翻刻「臨場感、声聞こえるよう」

服部氏のノートの実物(手前)と翻刻した講義録
吉野の講義録を出版した有志

 民本主義を唱えた宮城県大崎市古川出身の政治学者吉野作造(1878〜1933年)が東京帝大教授時代に行った政治史の講義録ノートを仙台市民有志が翻刻し、自費出版した。約7年かけて読み進め、難解な語句は注釈を付けた。有志は「吉野の功績を知る一助にしてほしい」と活用を呼び掛ける。
 出版したのは元教員ら6人でつくる「吉野作造『政治史』講義録 仙台翻刻の会」。地元の学術資料を生かそうと2010年12月から翻刻に取り組み、崩し字や英語の交じったノートの内容を、ひらがなと漢字の講義録に仕立て直した。
 ノートは計87ページで、福島大学長などを務めた服部英太郎氏(1899〜1965年)が1920年度に吉野の講義を書き取った。「英国に於(お)ける憲政の発達」「帝国主義の発達」など7章構成になっている。
 服部氏の長男で東北大経済学部長だった文男氏(1923〜2007年)の遺品や寄贈資料から見つかった。序章から5章までは大崎市の吉野作造記念館、6、7章は名取市の尚絅学院大に保管されている。
 吉野の講義は第1次世界大戦後、欧州各国が国際協調に向かうさなかにあった。服部氏が書き取ったノートは大半が見開きで片側が空白となっており、仙台翻刻の会は空白部分に注釈を付ける形で編集した。
 メンバーの松尾重信さん(72)は「フランス革命の部分は血湧き肉躍る臨場感があり、吉野の声が聞こえてくるようだ。服部氏も興奮しながら聴講したのだろう」と語る。代表の永沢汪恭さん(76)は「簡単には読めないかもしれないが、吉野の生き方や主張に関心がある方はぜひ読んでほしい」と話す。
 講義録はB5判、110ページ。300冊作り、希望者に1冊2000円で頒布する。連絡先は永沢さん022(229)0534。


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2018年05月05日土曜日


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